FXを始めたい時に、最初にぶつかる壁が専門用語です。
そこで、まず押さえておきたいのがFXの用語と意味。

FXを始めたいと思ったんだけど、わからない用語がたくさん出てくるから難しくって……



最初は難しく感じるけど、専門用語さえ押さえておけば、言葉で理解できるようになって実践できるようになるから、初心者ちゃんは必ず学んでおくこと。
FXは初めての方にとって、多くの専門用語が出てきて混乱することがあるかもしれません。
そこで、今回はFX初心者が覚えておきたい36種類の用語を図解を交えてわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、FXの仕組みやルールが理解できるようになるはずです。
FX用語に詳しくない方も、用語の意味を理解することで新しい発見があるかもしれません。
ぜひ最後まで読み進めてみてください。
FX初心者が絶対に知っておきたいFX用語とは?





FX用語って聞くと鳥肌たってきたんだけど、こんな私でも大丈夫?



小学生の時にひらがなカタカナ漢字を学ぶのと同じで、用語というのはとても重要。
基本用語さえ押さえないと内容を把握できないから、実践を踏まえて覚えていこう。
FX初心者の方は、専門用語を覚えることが難しそうで不安になるかもしれません。
しかし、重要な用語はそれほど多くありません。
基本用語をしっかり理解しておけば、あとは実践しながら覚えていくことができます。
ポイントを押さえて、焦らず学んでいきましょう。
FX(外国為替証拠金取引)
FXとは、Foreign Exchangeを略したもので海外ではForexと呼ばれている投資方法のことです。
Foreign Exchangeとは1つの通貨を異なる国の通貨へと交換・両替する外貨取引を意味しています。


日本では、FXのことを「外国為替取引」「外国為替証拠金取引」とも呼んでいます。
簡単にいうと、外貨を買ったり売ったりすることで利益を得るのがFXです。
外国為替取引のイメージ


例えば、「1ドル=100円」の時に買って「1ドル=110円」に値上がりしたとすれば、1ドルあたりで10円の利益が出ます。1,000通貨なら10,000円です。
売りから入るということは、「1ドル=100円」の時に売って「1ドル=90円」で買い戻すならば、1ドルあたりで10円の利益になります。
広い意味では、外貨両替も外貨預金も「外国為替取引」とまとめられますが、FXはレバレッジをかけて買いからでも売りからでも始められることが外貨両替や外貨預金とは異なる大きな特徴です。
外国為替
本来、外貨を買ったり売ったりするには通貨ではなく「為替」と呼ばれる証書が使われています。
昔は、セキュリティー上の問題から「為替」を外貨の代わりに取引していたことから外貨のことを「外国為替/為替」と呼ぶようになったのです。
現在は金融機関内のシステムでのみ「為替」はやり取りされるため、外貨を取引しても私たちが「為替」そのものを見ることはありません。日本円の銀行間でのやり取りにも、実は為替が使われているのです。
証拠金取引


口座に預け入れた資金が証拠金です。
証拠金を元手に取引資金を数倍に増やして利益を狙うことができます。預け入れた資金の金額に応じて、取引できる量も変わってきます。
レバレッジ
英語のLeverage(てこの原理)からきている用語で、少額の資金でも数倍に増やせることを表しています。


国内証券会社では最大25倍までレバレッジをかけられます。海外証券会社では最大8000倍までかけられます。
1万円の資金でも、5倍で5万円、10倍で10万円、25倍で25万円・・・のように増やして取引することができます。
利益が倍増する分、損失額も倍増しますので注意が必要です。
通貨ペア
国内で最も取引されている通貨ペアは「米ドル/日本円(USD/JPY)」です。「米ドル/円」を買ったり売ったりして利益を狙えます。


「米ドル/円」を買うということは、日本円で米ドルを買うことを意味しています。
「米ドル/円」を売るということは、米ドルを売って日本円を買うことを意味しています。
通貨ペアの表記には意味があって、「〇〇〇/〇〇〇」の表記では、右側の通貨で左側の通貨を買う仕組みになっています。ベース通貨が左側と覚えておきましょう。
例えば「ユーロ/米ドル」の場合だと……
「ユーロ/米ドル」を買うということは、米ドルでユーロを買うことを意味しています。
「ユーロ/米ドル」を売るということは、ユーロを売って米ドルを買うことを意味しているのです。
通貨ペアはおもにメジャー通貨とマイナー通貨に分けられます。
通貨ペアにはさまざまな種類があります。日本語表記の場合もありますが、通貨コード(アルファベット)で覚えるようにすると後々便利です。国の通貨コード一覧はこちら
メジャー通貨
米ドル、ユーロ、円、オーストラリアが人気です。
- 米ドル/円(USD/JPY)
- ユーロ/円(EUR/JPY)
- 英ポンド/円(GBP/JPY)
- 豪ドル/円(AUD/JPY)
- NZドル/円(NZD/JPY)
- ユーロ/米ドル(EUR/USD)
- 米ドル/スイスフラン(USD/CHF)
- 豪ドル/米ドル(AUD/USD)
取引量が多く流動性が高いのが特徴。
国内でも情報を得やすいことがメジャー通貨のメリットとなっています。
マイナー通貨
国内でも人気のマイナー通貨もあれば、ほとんど聞いたことがないような通貨もあります。
- トルコリラ/円(TRY/JPY)
- 南アフリカランド/円(ZAR/JPY)
- メキシコペソ/円(MXN/JPY)
- 中国人民元/円(CNY/JPY)
- 香港ドル/円(HKD/JPY)
- ユーロ/ノルウェークローネ(EUR/NOK)
- 米ドル/アラブディルハム(USD/AED)
マイナー通貨は金利が高めになるメリットがある一方で、財政がやや不安定になりがちでリスクがある通貨です。
ポジション


「買いポジション」は買いから入って売ることで利益を狙います。
「売りポジション」は売りから入って買うことで利益を狙います。
「ポジションを保有」するということは取引中であることを意味していて、決済する前の状態です。
決済するとポジションはなくなります。
為替レート
1ドルが日本円でいくらなのか、100円はユーロに換算するといくらなのか、など各通貨の価値・価格はさまざまな要因からつねに変動し続けています。
FXはこの為替レートの変動を活用して利益を得ていきます。
変動のおもな理由は需給バランスです。
- 通貨の需要が高い → 買う人が多い(供給が少なくなる) → 価格が上昇
- 通貨の需要が低い → 売る人が多い(供給が増える) → 価格が下降
為替レートが変動する要因の例


企業・個人の取引や投資などで、買う人が多い通貨は価格が高くなっていきます。反対に売る人が多い通貨は価格が安くなっていくのです。
為替レート一覧(MATSUI FX)


為替レートは業者によって若干のズレはあるのですが、世界中で取引される銀行間での価格が目安です。FX業者や証券会社、両替所などで公開されています。



為替レートが変動する理由や為替取引の基本は以下の記事でも詳しく解説している。


ロット(Lot)
FXで取引する時は、ロット単位で注文を入れます。
12本のペットボトルを1ダースで注文したり、10個のたまごを1パックで注文するような感じです。
1ロットあたりの通貨数は、
- メジャー通貨 → 1ロット=1万通貨
- マイナー通貨 → 1ロット=10万通貨
となるケースが多いです。
FX業者や通貨ペアによって1ロットの規定が異なる場合があります。ロットを勘違いして大量に注文しすぎることも。必ず取引する際には1ロットの通貨数を確認しましょう。
最低取引単位
最小でどれくらいの注文が可能なのかが取引ルールにて表記されています。
FX業者によるのですが、「1,000通貨=0.1ロット」が最小単位となる場合が多いです。
一部の業者では、0.01ロットから取引できたり、1ロットが最小単位となったりする場合もあります。
少額取引したい方は最低取引単位の確認は必須です。
最低入金額
最低入金額以上を用意しないと、口座開設できなかったり入金手続きが行えなかったりします。
実際のところは入金額には規定がないFX業者の方が多いですが、中には5,000円以上・10万円以上などと決められている場合があります。
入金額に規定がない場合でも、最低取引単位を確認すれば最低でいくらぐらい必要なのか想定できます。
最低入金額 | 最低取引単位 | 1ドル100円の場合に必要な金額 |
A社/規定なし | 1ロット(1万通貨) | 4万円 |
B社/規定なし | 0.1ロット(1,000通貨) | 4,000円 |
C社/規定なし | 1通貨 | 4円 |
というように、最低入金額よりも最低取引単位によってFXトレードが開始できる最低限の資金が変わってきます。
証拠金
証拠金には4つの種類があります。
- 預かり証拠金(入金した金額/口座残高)
- 有効証拠金(現在の証拠金)
- 必要証拠金(取引に使っている証拠金)
- 余剰証拠金(取引に使っていない証拠金)


預かり証拠金
まず最初に、口座に入金した金額が預かり証拠金として表示されます。
預かり証拠金をレバレッジ取引の担保として利用できます。
現時点で決定している残高の総額のことで、取引中の資産額の変動は反映されません。取引を決済すると、預かり証拠金も取引の結果に応じて変化していきます。
※FX会社によっては、口座に直接入金せずにウォレットで資金を管理する場合もあります。その場合は、口座に入金した分が預かり証拠金となります。
必要証拠金
必要証拠金は、レバレッジの倍率や取引する通貨ペア・取引量・為替レートによって変わってきます。


- 100万円の取引をレバレッジ25倍で行う場合 → 必要証拠金4万円
- 100万円の取引をレバレッジ10倍で行う場合 → 必要証拠金10万円
- 100万円の取引をレバレッジ2倍で行う場合 → 必要証拠金50万円
※取引に使った証拠金は、ポジションを保有するのに必要な金額です。
余剰証拠金
余剰証拠金は、取引の担保として利用が可能な金額のことを表しています。
余剰証拠金に余裕があるほど安全な状態になります。
- 損失が出ている(含み損) → 余剰証拠金が減少
- 利益が出ている(含み益)→ 余剰証拠金が増加


損失が出ると余剰証拠金は減少、利益が出ると余剰証拠金は増加するのです。
余剰証拠金が0になると強制ロスカットになります。
有効証拠金
レート変動に応じて、余剰証拠金が変わることから有効証拠金もつねに変動していきます。


決済していない損失(含み損)が出ている時は、余剰証拠金が減少します。その結果、有効証拠金も減少します。
損益
証券会社の資産状況から損益を確認することができます。
- 損益がマイナス → 損失が出ている
- 損益がプラス → 利益が出ている
また、損益には3つのタイプがあります。
①ポジションに表記される損益(ポジション損益)
現在保有中のポジションの損失額・利益額を表すもの。為替レートによってつねに変動する数字で、含み損・含み益のことです。
②スワップによる利益・損益を表すもの(未決済スワップ損益)
まだ受け取っていないスワップの合計金額を表すもの。決済した時点で残高に反映されます。
③運用結果に表記される損益(売買損益)
決済している過去の利益・損益をトータルで計算して、損失額・利益額を表すもの。月間や年間で計算されます。
資産残高
「もともとの口座残高または入金額 + 決済したポジションの損益額」が資産残高として算出されます。
ポジションを保有中の場合は、現在の含み損・含み益を加味した金額が実質の資産額となります。
ポジション損益・含み損・含み益は決済するまでは確定しないので、実質の資産額はつねに変動しているというわけです。
含み益があるポジションを決済すると利益が確定して資産残高が増えます。含み損があるポジションを決済すると、損益が確定して資産残高は減少します。
ロスカット
利益が出るまで待ちたいと思っていても、含み損が拡大しすぎると自動的に損失を確定されて自動ロスカットが起こります。


ロスカットになる損失額の水準はFX業者によりますが、証拠金維持率が20%100%になった場合に発動されることが多いです。
レバレッジをかける取引では、損失額が資金以上に拡大する恐れがあります。
ロスカットは、投資家・FX業者を保護するために設定することが義務づけられているのです。
ただし、急激な為替変動が生じた時には、ロスカットが間に合わずに残高がマイナスになることがあります。ロスカットになる前に、損失が小さい時点で損切りしておくようにしましょう。
証拠金維持率
証拠金維持率のパーセンテージが高いほど資金に余裕があり、パーセンテージが低くなるほど危険な状態です。
証拠金維持率は資金状況のバロメーターにもなります。
- ロスカットまでの余裕はあるか?
- 証拠金に対して損失額が大きくなりすぎていないか?
- 資金余力はどれくらいゆとりがあるか?
- 無理なトレードをしていないか?
というように、損失額そのものよりも証拠金維持率がどれくらいかが最も重要だといえるのです。


- 有効証拠金 → 損益を含めた総資金額
- 必要証拠金 → ポジション保有に使っている証拠金
口座状況・取引状況・ポジションサマリーなどに証拠金維持率は表示されますので、自分で計算する必要はありません。証拠金維持率は高ければ高いほど安全で、理想は500%~1000%以上を維持しておくことです。


証拠維持率が何%なのかをチェックするようにしましょう。危険信号の目安は300%です。300%以下になったら要注意です。
マージンコール・追証
- ロスカット水準100% → マージンコール150% (+追証)
- ロスカット水準50% → マージンコール100%(+追証)
マージンコールはメールやスマホ通知、ツールの画面上で通告されます。
FX業者ごとに追証の要請が異なり、任意の追証となる場合もあれば、マージンコールの段階で追証が義務づけられている場合もあります。
ロスカット、マージンコール、追証については必ず事前に確認しておくようにして下さい。



そろそろ疲れてきたころだと思うので、一旦ここで休憩しよう。
休憩が終ったら、次はトレード時に必要なFX用語を紹介していく。
BID・ASK
売りと買いを間違えるとまったく逆の注文になってしまうのでしっかりと覚えておきましょう。
トレードに慣れている投資家でも多々間違えることはあります。


「BID(Bid)」は売値のことです。今売るとすればいくらなのかを表しています。
「ASK(Ask)」は買値のことです。今買った場合の価格を表しています。
SELL・BUY


「SELL」は売り注文されて、「BUY」は買い注文されます。
ちなみに、銀行や両替所では「TTB/売値」「TTS/買値」で表示されています。
スプレッド
FXは基本的に手数料は無料です。しかし買値と売値にスプレッドがあるため、どうしても含み損からスタートすることになり、実質コストがかかってしまうのです。


例えば、上記の米ドル/円のレートだと「売値→147.569」「買値→147.574」となっていますね。
この場合「スプレッド→0.5pips」となり、1通貨あたり0.5銭のコストがかかっているのです。
0.5銭のコストがかかるということは、1,000通貨の場合で5円のマイナス、1万通貨の場合で50円のマイナスからスタートするということです。
広いスプレッドマイナス分を相殺するのに時間がかかるため、トレードには不利になります。


スプレッドはFX業者によって設定が異なります。
実質コストを抑えるためにも、スプレッドはできるだけ狭いFX業者を選んだ方がトレードには有利なのです。
※スプレッドは変動制と固定制があり、FX業者・口座の種類によって設定が変わってきます。
pips
スプレッドはpips単位で表示されています。(円の場合は銭で表示されることもある)
円の通貨ペアか、外貨の通貨ペアかによってpipsの値が変わってきます。


- 円がらみの通貨ペアの場合 → 小数点第2位が1pip
- 円以外の通貨ペアの場合 → 小数点第4位が1pip
円がらみの通貨ペア USD/JPY、EUR/JPY、GBP/JPYなど | 円以外の通貨ペア EUR/USD、AUD/USD、AUD/NZDなど | |
1pip | 0.01円(1銭) | 0.0001ドル(0.01セント) |
10pips | 0.1円(10銭) | 0.001ドル(0.1セント) |
100pips | 1円(100銭) | 0.01ドル(1セント) |
スイングや中長期であれば、そこまでスプレッドにこだわる必要はありませんが、デイトレードなどの短期になるほどスプレッドが広いと稼ぎにくくなります。
ロング・ショート
- ロング → 買いポジション
- ショート → 売りポジション
「買い」からトレードを始めた場合に、「ロングでポジション」を持ったと表現します。
「売り」から入ろうと思っている時などに、「ショートで狙っている」といいます。
成行注文
FXの注文方法は大きく分けて「成行」か「指値・逆指値」を選べます。
その時の相場の流れに乗って、今すぐに売買したい時に成行注文を入れます。


スピーディにその場で注文がすぐに成立する代わりに、注文が集中している時には価格がズレやすいことがデメリットです。注文方法がシンプルでわかりやすいのが成行注文の特徴です。


- 注文方法 → 「成行/ストリーミング」を選択
- 取引量を入力・選択
- 買値または売値のボタンを押す
取引ツールによって若干の違いはありますが、売値・買値ボタンを押して「実行」をクリックすると即注文が決まる流れになっています。ワンクリックなどのスピード注文ができる場合もあります。
指値・逆指値注文
例えば、もう少し上から下がって下落してきてから買いたい場合、反発を狙って購入する時に指値注文を使います。
逆に下から突き抜けて来たときに買いたい場合は、逆指値注文を使います。


エントリー以外の用途としては、利益確定は指値注文、損切りを逆指値注文として使うことが多いでしょう。




- 「指値」または「逆指値」を選択
- 買いか売りかを選択
- 取引量を入力・選択
- 注文価格を入力
- 有効期限を選択
- 注文を決定する
といった流れで指値・逆指値注文が行えます。取引ツールによっては、逆指値注文を入れなくても、ストップロス価格(損切り価格)が設定できる場合もあります。
エントリー


「買い」で入ることを「買いでエントリー」「ロングでエントリー」といいます。
「売り」で入る時は同様に「売りでエントリー」「ショートでエントリー」の表現を使います。
また、「買い」や「売り」を決めたい為替レートの位置を「エントリーポイント」とも言います。
決済
- 買いポジション(ロング)→ 含み益 → 売りで決済 → 利益確定
- 売りポジション(ショート) → 含み益 → 買いで決済 →利益確定
- 買いポジション(ロング)→ 損失 → 売りで決済 → 損切り
- 売りポジション(ショート) → 損失 → 買いで決済 → 損切り
損切り
FXでは、強制ロスカットを回避したり、大きな損失を防ぐために損切りすることは最も重要なスキルとなります。
10万円を失うぐらいなら、2万円の損失を確定させておこうという考え方ですね。


上昇すると思って「買い」でエントリーしたけれど……
→しかし、相場は上昇に向かわずに下降に進んでしまいました。「いや、きっと上昇にまた向かうはず」と期待したものの、価格はどんどん下がってしまい最終的には強制ロスカットとなってしまいます。
下降すると思って「売り」でエントリーしたけれど……
→しかし、相場は下降したかのように見えてもすぐに上昇に反転してしまいました。「大丈夫。必ずまた下降に向かうから」と損失を放置した結果、価格はみるみるうちに上昇に向かい最終的には強制ロスカットです。
ロスカットになると資金の大半を失うことになります。損失が出始めたらどこかのタイミングで早めに損切りすることが大切なのです。
スワップポイント・金利
FXでは、ポジションを保有すると各通貨ごとに異なる金利の差額がスワップポイントで付与または引かれる仕組みになっています。
低金利の通貨から高金利の通貨を購入すると、差額がプラスになり、プラスになった分が利息でもらえるのです。


例えば、今わかりやすいのが米ドルと日本円の金利差です。
日本の政策金利は-0.10%、米国は連続する利上げにて3.25%です。
差額は3.35%となり、増えた分の金利の差額が利息として残高に加算されます。
銀行預金の利息のようなものですね。
円はいまだにマイナス金利を維持していますので、スワップがプラスにつくことが多くなります。
ただ、金利差がスワップポイントになるとはいっても、FX業者ごとにスワップポイントの規定が異なり、必ずしもプラスの差額分がもらえるわけではありません。あくまでも目安として考えるようにしましょう。
スワップポイントはロールオーバー、金利調整額などとも呼ばれていて、プラスでつくこともあればマイナスで引かれることもあるので注意が必要です。
スワップポイントはFX業者・通貨ペアによってさまざまで、おおむねの金額は以下のとおりです。
- USD/JPY→ロング(20円~70円)ショート(-50円~-80円)
- EUR/JPY→ロング(-30円~-2円)ショート(1円~7円)
- GBP/JPY→ロング(10円~50円)ショート(-50円~-70円)
- TRY/JPY→ロング(30円~40円)ショート(-30円~-50円)
- ZAR/JPY→ロング(10円~15円)ショート(-10円~-25円)
※1ロットあたりのスワップポイントです。
※スワップポイントは毎日変動しています。取引の際には必ず確認するようにして下さい。
ちなみに「外貨ex byGMO」に関しては、圧倒的に高いスワップポイントが提供されています。スワップを狙いたい方は参考にしてみて下さい。
外貨ex byGMOのスワップポイント


チャート
FXでは相場を分析したり、売買を判断したりするのにチャートの活用が欠かせません。
なぜなら、現在の為替レートだけを見ても安いのか高いのか、今後どちらに向かう可能性があるのかなどわからないからです。
各取引ツールでは、たいてい3つのチャートタイプが表示できるようになっています。


- ローソク足チャート → ローソクのような形をしたチャート
- バーチャート → ローソク足チャートを簡潔化したもの
- ラインチャート → 1本のラインで表したもの
上記3つのチャートは横軸に時間(日付)、縦軸に価格が表示されています。
FXの相場分析ではローソク足チャートを使うのが一般的で、ローソク足チャートが読めれば十分です。
ローソク足チャート
1本のローソク足から価格がどのように動いたかを知ることができます。
ローソク足の4本値


- 始値 → 最初の取引価格
- 終値 → 最後の取引価格
- 高値 → 最も高い値がついた時の価格
- 安値 → 最も安い値がついた時の価格
陽線・・・ 始値よりも終値が高いローソク足のこと。買いの勢いが強く、価格が上昇に向かっていることを意味しています。
陰線・・・ 始値よりも終値が安いローソク足のこと。売りの勢いが強く、価格が下降に向かっていることを意味しています。
陽線と陰線の見分けがつくだけで、相場が今どのような状況にあるのかを読めるのです。


ローソク足の長さや、並び方、パターンなどからも相場分析を行えます。
ローソク足分析は、チャート分析の基本中の基本です。初心者の方は、しっかりとローソク足について学んでおくことが大切です。
日足・週足・月足
チャートを表示させる時に、ローソク足の時間足を選択できます。
- 月足(MN) → 1カ月間の価格の動きを表したもの
- 週足(W1) → 1週間の価格の動きを表したもの
- 日足(D1) → 1日の価格の動きを表したもの
- 4時間足(H4) → 4時間の価格の動きを表したもの
- 30分足(M30) → 30分間の価格の動きを表したもの
- 1時間足(M15) → 1時間の価格の動きを表したもの
- 15分足(M5) → 15分間の価格の動きを表したもの
- 1分足(M1) → 1分間の価格の動きを表したもの




それぞれの投資スタイルに合わせて、メインで使う時間足を選べます。
どの時間足を使うとしても、長期・中期・短期での動きを確認するようにしましょう。
円高・円安
米ドルに対して円の価値が上がると円高、米ドルに対して円の価値が下がると円安といいます。
経済ニュースでは頻繁に円高・円安という言葉が出てきます。
米ドルは世界をリードする最強の通貨で、貿易や投資において基軸となる通貨でもあります。
したがって、円が米ドルに対してどうなのかが金融市場では重要視されているのです。


円高の時には、1ドルを買うのに少ない円で済みます。
反対に円安になると、1ドルを買うのにたくさんの円が必要になります。
円高・円安の理論がFXのすべてだといっても過言ではありません。
- 円高 → 外貨を買う
- 円安 → 外貨を売る
USD/JPYの価格が上がると円安、USD/JPYの価格が下がると円高です。
つまり・・・
- 円高の時に少ない円でたくさんのドルを購入しておけば、円安になった時にたくさんの円に交換できるというわけです。ドルが安い時にたくさん買って、ドルが高くなったら売るということです。
ただ、どれくらいの期間で見るかによって円高・円安の判断も変わってくるので注意しましょう。
テクニカル分析
相場分析では、おもに「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」と2つの方法が使えます。
テクニカル分析では、過去のチャートや値動きから特定のチャートパターンをつかんで、価格の方向性や上昇・下降のタイミングを計っていきます。
チャート画面を見て、視覚的にアプローチしていくので初心者にもなじみやすい分析方法です。
まず初心者が押さえておきたいテクニカル分析の基礎には以下のようなものがあります。
- ローソク足分析
- サポート・レジスタンスライン
- トレンド・チャネルライン
- 移動平均線
- チャートパターン
- など
ローソク足分析


ローソク足分析とは、1本1本のローソク足の意味を読み取って相場を分析する方法です。
チャートに上図のようなローソク足が出現したら売買サインと判断することができます。



FXトレードで強力な武器となるローソク足の見方はこの記事をチェックしてほしい。


サポート・レジスタンスライン


サポート・レジスタンスラインとは、高値の位置と安値の位置に水平ラインを引いたものです。サポートやレジスタンスにくると価格が反転しやすく、エントリーや決済の目安にできます。
トレンド・チャネルライン


トレンドライン、チャネルラインとは、価格が上昇・下降に向かっている時に有効な分析手法です。多くの場合、ラインに沿って価格が動いていくのが確認できます。高値の位置と安値の位置に斜めのラインを引いて使います。
移動平均線


移動平均線とは、値動きの平均をラインで結んだもので、価格は移動平均線に沿って動いていくことが多いです。ラインの上で動く時は上昇に向かい、ラインの下で動く時は下降に向かうサインとなります。
チャートパターン


チャートパターンとは、チャートが上図のように特定の形を作った時に売買サインと見る分析手法です。最もよく使われているものにダブルトップ・ダブルボトム、ヘッドアンドショルダーなどがあります。



チャートパターンをもっと勉強したい場合はこの記事を読んでほしい。


インジケーター
テクニカル分析の基礎を押さえたら、トレードを実践しながら、さまざまなタイプのインジケーターにチャレンジしていけます。
よく使われているインジケーターには、
- ボリンジャーバンド
- RSI
- MACD
- フィボナッチ
- エリオット波動
などがあります。
テクニカル分析ではさまざまな手法がありますが、どの手法も完璧ではありません。複数の手法を併用していくことが成功のコツです。
ファンダメンタルズ分析
ニュースやデータの内容から市場がどのように反応するかを読んで、価格の方向性や上昇・下降のタイミングを計っていきます。
ポジティブなニュースやデータが発表されると価格は上昇、ネガティブなニュースやデータが発表されると価格は下降しやすいです。
- ニュース速報・突発的なニュース(一番重要)
- 経済指標の発表(米国などの主要国の経済指標)
- 金融政策(米国など主要国の政策金利)
- 要人発言(FRB、ECB、日銀など重要人物の発言)
- 国際ニュース(イベント、政治、災害、事故など)
- その他の主要金融商品(ダウ平均、日経平均、債券、エネルギーなど)
一番要注意なのが、まったく予測不可能な突発的なニュースです。例えば、コロナウイルス、ロシアのウクライナ侵攻など、世界経済への影響が大きいと思われるニュースがあると相場は大きく上下します。
相場は、テクニカルの要因とファンダメンタルズの要因と双方から影響を受けていきます。FXトレードをする際には、必ず経済ニュースの見出しだけでもチェックするようにしましょう。
次に押さえておきたいのが米国の経済指標の発表です。
米国は世界トップの経済大国であるため、米国経済が為替市場に与える影響も強大です。
とくに重要な米国の経済指標をいくつか確認しておきましょう。
米国雇用統計


米国雇用統計とは、毎月第一金曜日に発表される指標です。米国の雇用に関するデータ10項目が対象となり、中でも注目度が高いのが「失業率」と「非農業部門就業者数」です。雇用状況がポジティブな場合は上昇につながります。
FOMC議事録
FOMC議事録とは、米国連邦公開市場委員会(FOMC)が発表する経済の見通しや政策金利の方向性などです。具体的なデータの発表ではないのですが、金融政策の方向性を探れます。
FRB政策金利
FRBとは、米国連邦準備制度理事会のことで中央銀行のような役割を果たす機関のことです。年に数回、FRBによって米国の政策金利が発表されます。金利が上がるとドルが上昇、金利が下がるとドルが下降する傾向にあります。
国内総生産(GDP)
国内総生産とは、Gross Domestic Product(GDP)とも呼ばれている指標で、1年間に国内で産出されたサービスや商品の総額のことです。GDPの数値から、国の経済の大きさ・成長率がわかります。
ISM製造業景気指数
米国企業の在庫、生産、雇用、入荷状況などをまとめたもので、景気を表す指標として発表されます。数値が高いほど景気が良いと判断できます。
消費者物価指数(CPI)
消費者物価指数とは、サービスや商品など物価の値上がり率を表す指標です。数値が高いほど物価が上昇していることを意味しています。
米国を含めた主要国の経済指標は、FX会社が提供する経済指標カレンダーで日程を調べられます。



ファンダメンタルズ分析をかなり奥が深い。トレードに生かして勉強したい場合はこの記事が役に立つだろう。
基本用語を覚えたら、あとは実践しながら覚えていこう


基本用語さえ覚えたら、FX会社を探したり口座開設したり、取引ツールの使い方を覚えたりとFXが始めやすくなります。注文を入れて取引することだって可能です。
今回紹介したFX用語以外にも、まだまだたくさんあります。
ある程度学んだら、失敗を恐れずに実践していくことが大切です。少額取引から始めて、ひとつずつコツコツとわかることを増やしてスキルを身につけていきましょう!