テクニカル分析の中で得におすすめなのがフィボナッチを使ったトレード方法です。
フィボナッチをマスターすればトレード分析がとても面白くなり、勝率を高められるトレードができるようになります。
フィボナッチほど信頼性に優れ・的中率が高いインジケーターはありません。
ぜひ、この機会にフィボナッチの基礎知識やトレード方法をマスターしていきましょう。

FXの色々な知識が分かってきたから、そろそろフィボナッチを使ったトレードにもチャレンジしてみたいな。



FXにはたくさんのインディケーターがあるけど、フィボナッチだけでも十分勝てるようになるからしっかりと使えるようにマスターしていこう!
そもそもフィボナッチとはどんなインジケーター?


フィボナッチは永久不変の自然の法則である「黄金比率」が基盤になっている描写ツールです。



黄金比率って何か聞いたことあるけど・・・



世界中で美しいと言われているもは全て「黄金比率」でできているんだ。
まずはじめに「黄金比率」について解説していこう。
フィボナッチと黄金比率
「黄金比率」とは、
「1 : 1.618」の比率のことで、人が最も美しい・安定していると感じる比率のことです。
正確には、黄金比率は「1:1.6180339887……」と永遠に続いていくので、「1.618」以下の数字は切り捨てで表示するのが一般的です。
「黄金比率」は「三角形の和は必ず180度になる」といった理数学の法則として古代ギリシャ時代に発見されました。
「黄金比率」の代表的な例に「黄金比率の長方形」というものがあります。
黄金比率の長方形


黄金比率の長方形とは、長方形の2辺の長さを「1:1.618」と黄金比率にした場合、9個の正方形が上図のようにきれいにおさまる例のことです。
さらに、収まった正方形は「1:1.618」の長方形を永遠に形成していくという何とも不思議な長方形です。


黄金比率「1:1.618」は理数学上の話だけではなく、花や動物、人の体のつくりなど実は自然界のあらゆる形状に使われている比率でもあるのです。
古代ギリシャ時代から、建築、絵画、彫刻と数多くの芸術品は黄金比率が基盤とされてきました。
なぜか、人は黄金比率のものを見ると、安心・快適・美しいと違和感なく感じることができます。
現代においても、国旗、ハガキ、用紙、ロゴ、さまざまなものに黄金比率が採用されています。
フィボナッチ・リトレースメントの黄金比率


フィボナッチは、永久不変の法則「1:1.168」を基盤に「フィボナッチ数列」とよばれる複数の数値を挿入して分析します。
1本1本のラインはレジスタンス・サポートの役割を果たしていて、上昇・下降の目安とすることができます。
フィボナッチが信頼性に優れたインジケーターだといわれる理由は、「黄金比率」が基盤になっているからです。
理数学の法則・自然界の法則を採用したインジケーターだからこそ、フィボナッチは的中率も高いと評判なのです。



ちなみに、フィボナッチって誰が開発したのか知ってるかな?
フィボナッチは誰が開発したの?


フィボナッチはイタリアの数学者「レオナルド・フィボナッチ/Leonardo Fibonacci」が13世紀に発見・開発した分析手法です。
13世紀のイタリアといえば、ちょうどルネサンス(宗教からの解放)が開花し始めた時代で、数学や科学の研究が盛んに行われていました。
レオナルド・フィボナッチは当時、ピサの町で数学を教えていました。
数学者として、業績を残したいと新しい数式を日々研究していたところ、「フィボナッチ数列」と呼ばれる数式を発見!「フィボナッチ数列」がデータ分析や統計予想として、使えることがわかったのです。
そして「フィボナッチ数例」は最終的に「黄金比率」にたどりつくことが証明され、一躍有名になりました。
「フィボナッチ数列」「黄金比率」は「1 + 1 = 2」と同じように絶対的な数字です。覆すことができないの永久不変の数字の法則なのです。そのような法則が使われていることが、フィボナッチ特有の魅力となっています。
「フィボナッチ数列」「黄金比率」について、詳しく学んでみたい方はAmazonや楽天などで本を読むことをおすすめします。


小学生向けにわかりやすく書かれたものも結構多いので、本が苦手な方でも読みやすいでしょう。





フィボナッチは知れば知るほど、信頼できる数字だって分かるから、使い方を覚えると心強いよ!
フィボナッチの基礎知識


FXチャート分析にてフィボナッチを使いこなしていくためには、黄金比率へと導く「フィボナッチ数列」を理解しておくことが大切です。
「フィボナッチ数列」を理解することによって、より効果的に分析することができるようになります。



黄金比率のフィボナッチって面白そうだね。ちなみに、フィボナッチで使われている「フィボナッチ数列」ってどんな数字なの?



「フィボナッチ数列」は数学的に実証された数式で、フィボナッチ手法の基本となる数値だよ。
なぜその数値が大切なのかしっかりと本質を抑えておこう。
表面的に単に数値を使ってみるだけでは、結果は思うように出せません。
なぜ「フィボナッチ数列」で相場が読めるのか?本質的に理解しているかどうかで、分析にも違いが出てくるというわけです。
フィボナッチ数列とは
フィボナッチが発見した「フィボナッチ数列」とは、
「1+1」から順番に足し算をしていくと、一定の比率で数値が増えていき最後には黄金比率の倍率「1.168倍」になると法則のことです。
どういうことかというと……


1+1 = 2、1+2 = 3、2 + 3 = 5、3 + 5 =8、5 + 8 = 13……
「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89…」


1+1、2、(1+2)3、(2+3)5、と算していくと、上記のような数値が並ぶのですね。これらの数値を「フィボナッチ数列」といいます。
そして、「フィボナッチ数列」の隣合った数値の差を比率で計算すると、1、2、1.5、1.66、1.625、1.615、1.619…となっていき、最終的に黄金比率「1.618」にたどり着きます。
不思議なことに黄金比率「1.618」にたどり着いた後は、いくら足し算を続けていってもそれ以上は比率が変化しなくなるのです。
つまり、「フィボナッチ数列」は黄金比率に至る過程で重要な数値だと見なすことができます。
フィボナッチ数列でとくに重要な数字とは?
これからフィボナッチを分析に使っていくうえで、抑えておきたい重要な数字を見ておきましょう。
- 連続する「2つの数字の和」が次の数になる
- どの数字も次の数字で割ると「0.618」に近づく
- どの数字も2つ後の数字で割ると「0.382」となる
- どの数字も3つ後の数字で割ると「0.236」となる
- どの数字も2つ前の数字の「2.618」倍に近づく



実際にチャート分析で使うときは、これらの数字を意識しておこうね。
黄金比率・フィボナッチ数列を画像で見る
黄金比率の長方形は、上図のようにフィボナッチ数列の渦巻きを確認することができます。
この渦巻のことを「フィボナッチスパイラル」といいます。
草木が葉や枝を伸ばす過程や、花びらや種の渦巻き具合など、植物や動物の形状や数の増え方、人の人体のつくりから地形・気象と、あらゆるものに「フィボナッチ数列」「黄金比率」が確認されています。



フィボナッチって何だかすごいインジケーターだね。
どんなふうに、植物とか建築とかにフィボナッチが出てくるの?



具体的にフィボナッチ・黄金比率がどのように確認できるのか、画像を例にして見てみよう。
植物に見るフィボナッチ


バラのの花びらやひまわりの種の並び方は代表的なフィボナッチの例です。


キャベツの葉、アロエ、貝殻、まつぼっくりなどもフィボナッチに沿って形成されています。
建築・芸術に見るフィボナッチ


デザインロゴに見るフィボナッチ


衛星画像や上空写真・地図に見るフィボナッチ


絵画や彫刻、建築物、ロゴ・デザイン、地図に画像に写真、国旗、用紙のサイズ、ハガキ、名刺など実に多くのものにフィボナッチが隠れています。
身の回りのものにも、いくつもフィボナッチを探すことができるでしょう。
データマップ・地図で見るフィボナッチ


視覚的に表せるものほとんどが、フィボナッチ・黄金比率に近づこうとする傾向にあり、当然ながらFXのチャートもフィボナッチに沿って動いているのです。
フィボナッチは統計データやチャート分析には適した分析手法と言えるのです。



FXのチャート分析でも、しっかりフィボナッチ数列が機能して動いているんだよ。フィボナッチって本当にすごい分析手法っていうのが分かるね。
フィボナッチを使った6つの基本パターン





フィボナッチの凄さが分かったわ!実際にトレードしてみたいんだけど、どうやってトレードすればいいの?



フィボナッチが使いこなせれば、きっとFXで勝率を上げることができるよ。まず初めにフィボナッチの6つの基本パターンを見ていこう。
フィボナッチ・リトレースメント


フィボナッチ・リトレースメントは、複数の水平ラインが表示できるフィボナッチで、一番よく使われているスタンダードな手法です。
各自で利用するツールによって表示できるラインの数は若干異なるのですが、基本的に0.0%~100.0%までの6本のラインが挿入されます。(100%以上表示できるものもある)
- 0%
- 23.6%
- 50%
- 61.8%
- 76.8%
- 100%
表示された6本の数値を、サポート・レジスタンスラインの目安として使っていきます。
上図チャートのように、いずれかの数値内で相場が動いていく傾向にあるのです。
各数値で反発するかを確認して売買することができます。
フィボナッチ・エクステンション


フィボナッチ・エクステンションはエクスパンションとも呼ばれている100%を超える水平ラインのことです。
ドットの部分が100%となりますので、基本的な数値は、
- 61.8%(161.8%)
- 100%(200%)
- 161.8%(261.8%)
となります。
トレンドが思った以上に長くなった時や、部分的に数値をチェックしたい時にリトレースメントやその他フィボナッチと合わせて使うことができます。
リトレースメントと組み合わせて使おう


上記図のように、リトレースメントとエクステンションを組み合わせて使うことで、100%以上の数値を確認することができるようになります。
パラメーターの設定方法は、また後ほど詳しく解説します。
フィボナッチ・チャネル


フィボナッチ・チャネルはトレンドの分析に便利なフィボナッチで、斜めのチャネルラインを複数挿入してくれます。水平ラインで読みづらいトレンドの方向性をを探る時に使います。
基本的な数値は、
- -50~100%(一番下のライン)
- 0%(下から2番目のライン)
- 61.8%
- 100%
- 161.8%
- 261.8%
一番下のラインと2番目のラインには数値は表示されません。
トレンド開始・トレンド転換のポイントに0%を合わせてトレードすることができます。
フィボナッチ・ファン


フィボナッチ・ファンは、同じ起点から複数のトレンドパターンを分析するのに役に立つインジケーターです。同じトレンド内にあっても細かい反転ポイントをチェックするのに適しています。
基本的な数値は、
- 0%(赤いライン)
- 38.2%
- 50%
- 61.8%
トレンドが徐々にレベルアップしていく時や、徐々に安値ラインを下げていく時など、チャネルラインで読みづらいサポート・レジスタンスの目安に使えます。
フィボナッチ・アーク


フィボナッチ・アークは、複数の楕円ラインが表示されるインジケータです。トレンドラインや水平ラインでは読みづらい値動きを分析するのに活用することができます。
基本的な数値は、
- 38.2%
- 50.0%
- 61.8%
になっていて、3つの円を使ってトレードしていきます。
変動が激しいときや、方向性がつかみづらい時の反転タイミングを探ることができます。
フィボナッチ・タイムゾーン


フィボナッチタイムゾーンは、フィボナッチ数列で期間を区切ることができます。時間軸を気にしながら、トレンドのサイクルをつかみたい時などに有効です。
期間を区切る間隔は、デフォルトでは1、2、3、5、8、13、21、34……と順番にフィボナッチ数列が表示されます。区切る間隔はマウス操作や、設定自体の数値を変更したりで調整できます。
フィボナッチの挿入方法・設定方法
フィボナッチリトレースメントとエクステンションの挿入方法・設定方法を紹介していきます。
リトレースメントを挿入する
フィボナッチは、インジケーターリストまたは描画ツールのメニューから探すことができます。
挿入方法はいずれの場合でもほとんど同じですので以下を参考にしてください。
1.メニューから「フィボナッチ → リトレースメント」を選択


メニューから「フィボナッチ」を開くと、フィボナッチのリストが出てきます。
「リトレースメント」を選択。
リトレースメントは、描画ツール・ライン・オブジェクトなどのリストに個別で入っている場合もあります。
2.マークをクリックしてラインを表示させる


フィボナッチを挿入したい箇所(最初はおおむねでOK)に、上図のようなマークが出てきますのでクリックしてラインを表示させます。
3.ドットを動かしてラインを調整する


リトレースメントのラインとドットが表示されますので、0%のラインにあるドットを起点に合わせます。
次に、100%のラインにあるドットを動かしてチャートにマッチするように長さや角度を微調整していきます。
ラインをチャートにマッチさせるコツは、目立つ上昇・下降のローソク足がちょうどラインぴったりくるように動かしてみましょう。
リトレースメントのパラメーターを設定する
パラメーターの各種設定は、どのフィボナッチを使うとしても好きなように任意の設定ができるようになっています。
パラメーターを設定する場合は以下の手順になります。
1.リトレースメントの上で右クリック


リトレースメントのラインの上、またはドットの上で右クリックします。メニューから「プロパティ」を選択。
2.タグから「レベル」を選択して設定を変更


変更したい箇所をクリックすると、入力できたり選択できたりします。変更内容を確認して問題なければ「OK」をクリックして完了です。
3.ラインを追加で挿入する
例えば、100%以上のラインを追加したい場合は「追加ボタン」を押して、追加したい数値を入力します。
1.追加ボタンを押して入力欄を表示


2.数値を2か所に入力する


数値の入力欄に希望する数値を入力して「OK」で完了です。
- 0.236 23.6
- 0.382 38.2
- 0.5 50
- 1.0 100
- 1.618 161.8
- 2.618 261.8
エクステンションを追加で挿入する
エクステンションはツールによってエクスパンションと表記されている場合もあります。
1.メニューからエクステンション(エクスパンション)を選択


2.ドットを動かしてラインを調整する


まず1つ前のトレンドが大きく上昇した場所を起点に合わせてみましょう。
一般的に直近の最高値・最安値の位置に合わせて使います。
ローソク足のレジスタンス・サポートにぴったりくるように合わせてみるのがエクステンションを上手く使うコツになります。



まずはリトレースメントの使い方、設定方法に慣れるところから初めよう
フィボナッチは起点をどこに合わせるかが勝負


フィボナッチは絶対的な不変の法則・黄金比率に基づいているため、その他多くのインジケーターと比べて確証の高さという点で圧倒的に有利です。
ただし、どんなインジケーターでもそうですがフィボナッチも100%完璧というわけではありません。
つねにその他の手法と併用しながらシグナルの確証を得ることが大切。
そして、最も重要なのは起点をどこに合わせるかです。
起点の置き場所によって表示されるラインの位置も大きく変わってきます。
起点がずれてしまうと、すべてのシグナルが誤サインとなりかねないのです。
フィボナッチを最大限に活かして勝つためには、起点をどこに合わせるかにすべてかかっているといえるでしょう。