FXで効率的に利益を重ねるには、相場の流れを読み解きつつ適切なタイミングでエントリーを行わなければなりません。
しかし、初心者はチャートに現れるサインが見つけられず、なんとなく売買した結果、損失ばかりが膨らんでしまうこともあるでしょう。
本記事では、相場のトレンド転換の判断に役立つFXのダイバージェンスの見つけ方や注意点を解説します。
初心者におすすめの無料ツールも2つ掲載しているので、より効率的にトレードしたい方はぜひ参考にしてください。
FXのダイバージェンスとは?本当にトレンド転換がわかるの?


FXのダイバージェンスはよく聞くけど、そもそもどんな意味なの?



FXのダイバージェンスは、チャートとインジケーターの動きが逆転する現象なんだ。トレンド転換の分析に役立つサインの1つだよ。
トレンド転換を示す相場の逆行現象
FXのダイバージェンスは、チャートとオシレーターの方向が逆転する現象を指しており、売買圧力の弱まりからトレンド転換を察知できるサインです。
オシレーターとは
為替相場に発生している売買の圧力をチェックできるインジケーターの1種。MACDやRSIが代表的であり、数値が上昇すると「買われすぎ」下落したなら「売られすぎ」と判断できる。
たとえば、下図はGBP/USDの4時間足にMACDを表示させたチャートであり、売り注文が増えてチャートが下落し、同じくMACDも中心線(ゼロライン)を下に割り込んでいることがわかりますね。


一方、ダイバージェンスはこの基本が崩れて、チャートが下落しているにも関わらずMACDは上昇を開始、またはその逆の状態になるのです。





つまり表面的な価格は下落しているけど、実際の売り圧力は弱まっている、ということね?



その通り! チャートだけではわからない相場の動向が読み取れるから、トレンド転換の先読みに役立つんだ。
出現する頻度はそこまで多くはありませんが、もし発見した際は注意深く価格動向をチェックしてみてください。
強気ダイバージェンス
ダイバージェンスは2種類に分けられており、下落から上昇トレンドへの転換を示す場合は「強気(つよき)ダイバージェンス」と呼ばれています。


弱気ダイバージェンス
強気ダイバージェンスに対して、上昇から下落トレンドへの転換を示すのが「弱気ダイバージェンス」です。


FXのダイバージェンスとリバーサルの違い
リバーサル(ヒドゥンダイバージェンス)は、ダイバージェンスと同じくチャートとオシレーターが逆行する現象です。
しかし、こちらはトレンドの転換ではなく継続を意味しており、押し目買い、あるいは戻り売りのサインとして役立つでしょう。
押し目買い・戻り売りとは
押し目買いは、上昇トレンドの最中に一旦チャートが下落したタイミングで買い注文を行う手法。対して戻り売りは下落トレンドの中で一時的に上昇した時に売り注文を入れる。
たとえば上昇トレンドの継続を示す「強気リバーサル」は、チャートの安値が切り上がりつつオシレーターは下落している状態となり、買い注文の判断に活用できます。


対して「弱気リバーサル」はチャートの高値が切り下がっている一方、オシレーターは上昇する形状を指し、下落トレンドに乗った売り注文が行えるでしょう。


慣れないうちは判断に時間がかかるかもしれませんが、少しずつ経験を積み重ねてダイバージェンスとの違いがわかるようにしてくださいね。
リバーサルの具体例
リバーサルの基本を踏まえた上で、ここからはより具体的に確認してみましょう。


上図はEUR/USDの1時間足にMACDを表示させたチャート画面であり、オシレーターの数値は減少しつつ、堅調に安値が切り上がっていることがわかりますね。
一旦下落したタイミングで押し目買いが狙えるため、ぜひ習得してみてくださいね。
FXのダイバージェンスを見つけるおすすめインジケーター3つ



ダイバージェンスのことはわかったけど、肝心のオシレーターについても詳しく知りたいな。



ここからはダイバージェンスを見つけるのに役立つオシレーターを3つ確認していこう。それぞれ違った特徴を持っているから、自分に合ったものを選んでみてね。
MACD
MACDは相場の「売られすぎ」と「買われすぎ」の観測に役立つオシレーターであり、移動平均線を2本用いることから「移動平均収束拡散手法」という名でも知られています。
移動平均線とは
一定期間の値動きを一本のラインにした代表的なテクニカル指標。トレンドの分析だけでなく、そのまま反発ラインとしても活用できる。
実際の画面は下図の通りシンプルな仕様で、MACDヒストグラム*が中央のゼロラインを下に割り込めば売り圧力が強く、上に抜けると買い圧力が優勢、と判断できるでしょう。


MT4はもちろん、ほとんどの国内FXツールに標準搭載されており、初心者にも比較的扱いやすいオシレーターです。
また、MACDの詳細については以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
関連記事:【初心者必見!】FXのMACDって何?使い方や設定方法を徹底解説!
RSI
RSI(Relative Strength Index)とは、過去の値動きをもとに作成した一本のラインを表示し、売買の強弱を観測できるオシレーターです。
下図のチャートが70~80%以上まで上昇すると「買われすぎ」となり、20~30%以下に下落すれば「売られすぎ」と判断できます。


基本的な用途はMACDと同じですが、RSIは一本のラインだけで分析が可能となっており、比較的初心者向きの仕様といえるでしょう。
ストキャスティクス
ストキャスティクスとは、異なる計算方法で作成した「%K線」と「%D線」を用いるオシレーターであり、2つのラインが20%以下なら「売られすぎ」80%を超えた場合は「買われすぎ」と判断できます。


参考までに、FX会社のツールによっては「S%D線」という3つ目のラインも使えますが、上図の2本だけでも問題なく機能しますよ。
FXのダイバージェンスを判断するときのコツ2つ





FXのダイバージェンス判断に使えるオシレーターはわかったけど、判断するためのコツはないのかな?



ダイバージェンスの判断には、反発ラインとダウ理論を組み合わせるのがおすすめだ。ここから詳しく確認していこう。
反発ラインを組み合わせる
ダイバージェンスを判断するには、トレーダーから意識されやすい反発ラインを組み合わせるのがおすすめです。


上図は下落を買い支える「サポートライン」であり、逆に上昇を抑えているポイントは「レジスタンスライン」と呼ばれています。
具体的に、上昇トレンドへの転換を示す強気ダイバージェンスとサポートラインを併用すればより根拠が強まるため、あらかじめ自分でラインを引いてみると良いでしょう。
ダウ理論を組み合わせる
FXにおけるダウ理論とは、相場のトレンドを観測できる手法の1つであり、ダイバージェンスと組み合わせることで、より的確に転換ポイントが分析できるでしょう。




もちろん、反発ラインも用いればさらに根拠が強まるので、じっくりチャートをチェックしてみてください。
FXのダイバージェンスのトレード手法





FXのダイバージェンスを判断するコツはわかった! 具体的なエントリー方法も教えて!



ダイバージェンスのエントリー方法は大きく分けて2種類。それぞれ詳しく見ていこうか。
強気ダイバージェンスの買いエントリー
強気ダイバージェンスは、下落から上昇トレンドへ転換するサインとなるため、以下のようにダイバージェンスが確認できたポイントで買いエントリーを行います。


少しばかりタイミングが遅れても、ある程度の利益は見込めるので、焦らずにきちんとダイバージェンスを確認してからエントリーを判断しましょう。
弱気ダイバージェンスの売りエントリー
チャートが下落している一方、オシレーターの数値は上昇している「弱気ダイバージェンス」の場合は、以下のように確認できたポイントで売りエントリーを行いましょう。


上図はダウ理論における「高値と安値の切り上げ」にも失敗しており、比較的エントリーが判断しやすいチャートパターンですね。
もちろん、ストキャスティクスやRSIも同じように使えるため、自分にマッチするオシレーターを採用してみてください。
FXのダイバージェンスの注意点3つ





FXのダイバージェンスはとても便利そうな手法だけど、注意点はあるのかな?



ダイバージェンスには3つの注意点があって、それぞれを把握しておかないと逆に損失が増えてしまうこともあるんだ。安全性を高めるためにもしっかり確認していこう。
短期足のダイバージェンスは根拠が薄い
FXのチャートは、特定の期間ごとに更新される仕組みとなっており、1~30分足などは短期足、1時間足以上は長期足に分類されています。


そして、短期足は小さな値動きを観測できる一方、下図の通り売買の圧力が転換しやすく、ダイバージェンスも頻繁に発生して根拠が薄いのです。
【GBP/USDの5分足チャート】


対して、4時間足のダイバージェンスは短期足よりも頻度が少なく、大きな相場の流れを反映することから、きちんと機能しているのがわかりますね。


ただし、細かいエントリーポイントを決める際は短期足の方が正確性が高まるので、特徴を把握して適切に切り替えていきましょう。
ダイバージェンスだけでエントリーを判断しない
FXのダイバージェンスは、トレンド転換を察知できる効果的なサインの1つですが、当然予測通りの動きにならないこともあります。
たとえば強気ダイバージェンスが発生したにも関わらず、下落トレンドを継続するケースも多く、不用意にエントリーすれば大きな損失を抱える可能性もあるでしょう。


おはようございます🤗
— かりな (@FXKtoushi) June 9, 2022
FXトレードでは、エントリーの根拠が複数あった方が良い成績を残す可能性が高いですね🤗
本日は重要指標があるので準備を大事にしていきましょうね🥰
エントリー根拠の発見に便利なインジケーターについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
関連記事:FX最強インジケーター8選!おすすめ組み合わせから使い方まで徹底解説
ゼロラインをすぐにクロスすると成立しない
ダイバージェンスは、売り買いどちらかにかかっている圧力が少しずつ減少していく状態を観測する手法となります。
したがって、サインが現れた直後にゼロラインを割り込むと売買圧力がキャンセルされて、ダイバージェンス自体が成立しなくなってしまうのです。


上図は強気ダイバージェンスの例ですが、弱気の場合は売り方向へゼロラインを割り込む形となるため、あらかじめきちんと把握しておきましょう。
FXのダイバージェンスでトレードするときのおすすめツール2つ





FXのダイバージェンスの見つけ方や注意点はわかったけど、実際にエントリーするのはやっぱり難しそうね。



どれだけ基本が理解できていても、スキルに自信がないうちはどうしても不安になるよね。ただ、FX会社によっては売買シグナルを表示するツールを無料提供しているんだ。今回は2つのおすすめツールを解説するから、一緒に見ていこうか。
ヒロセ通商:さきよみLIONチャート


ヒロセ通商が提供する「さきよみLIONチャート」は、自分が設定したインジケーターとチャートを自動で照らし合わせ、画面上に売買シグナルとして表示します。


上図の通り、ダイバージェンスの観測にも使えるMACDやストキャスティクス、RSIにも対応しており、初心者を効率的にサポートしてくれるでしょう。
さらに「さきよみチャート」というモードでは、現在の値動きに最も似ている過去チャートを抽出し、未来に起こり得る値動きを3通りに分けてチェックできますよ。


もちろん、必ず予測が的中するわけではありませんが、利用する上でのコストは一切発生せず、簡単な設定で稼働させられる点も大きな魅力です。
ヒロセ通商の公式サイトでは無料デモツールも使えるため、興味がある方はぜひ試してみてください。
マネーパートナーズ:かんたんトレナビ


マネーパートナーズが無料提供している「かんたんトレナビ」は、複数のインジケーターで発生している売買シグナルを各時間足ごとにチェックできます。
Twitterを見ても数多くのトレーダーが分析に活用しており、2022年から導入し始めた「未来予測」も利便性が高い機能です。
マネパさんの「かんたんトレナビ」ドル円 5分足 移動平均指数でトレード挑戦中。手抜きじゃないですよ٩(ˊᗜˋ*)و検証中です! pic.twitter.com/6fDqZQoHBi
— 歌喜音ーかきねーFXと株と。 (@kakine9999) May 16, 2017
一方、デモツールはリリースしていないため口座開設が必須であり、起動するにはアプリからでなくブラウザへのアクセスが必要な点にも注意した方が良いでしょう。
マネパがいつの間にかにかんたんトレナビというのを始めてた。
— 一戦40円 (@Hitagi0bw) April 28, 2014
これがアプリから見れればいいのにわざわざブラウザで開くって方式。
使わないからまぁいいけど。 pic.twitter.com/he3doWjCBb
マネーパートナーズの「クイック審査」なら書類提出から最短1時間で口座を開設できるので、ぜひ「かんたんトレナビ」を試してみてください。
FXのダイバージェンスを活用してトレンド転換の初動を掴もう





FXのダイバージェンスをトレードに生かせば、トレンド転換で効率的に利益が狙えそうね。



ダイバージェンスを見つければトレンド転換の初動を狙うこともできるし、ダウ理論や反発ラインも組み合わせることでさらに確実性を高められるんだ。今回はリバーサルについても解説したから、両方の違いをきちんと理解して適切に使い分けていこう。
初心者が押さえておくべきダイバージェンスの注意点は以下の3つ。
- 短期足のダイバージェンスは根拠が薄い
- ダイバージェンスだけでエントリーを判断しない
- ゼロラインをすぐにクロスすると成立しない
上記を踏まえた上でダイバージェンスを活用すれば、より効果的に利益を積み重ねていけるでしょう。
もし分析スキルに自信がない場合は、FX会社が無料提供している売買シグナルツールを検討するのもおすすめ。
口座を開設するだけで使えるので、さっそく試してみてくださいね。