
FXに興味があるんだけど、失敗が怖くていつまでもチャレンジできないの…。



FXで失敗するとお金が減ってしまうから、怖く感じるのも無理はないよね。でも事前に失敗パターンを押さえれば、初心者でも適切に対策できるんだ!



そうなのね!それなら私でも安全性を高めてトレードできそう!



今回は失敗事例と対策を5つずつ解説するから、一緒に見ていこう!
FXの失敗パターンとは?初心者にありがちな5つの事例





FXで失敗したって話はよく聞くけれど、具体的にはどんなパターンがあるのかしら?



それじゃあここからは、初心者にありがちなFXの失敗パターンを5つ確認しよう!できる限り損失リスクを抑えるためにも、ぜひ参考にしてね!
失敗事例① 損切りできない
FXの「損切り」とは、含み損を決済して損失の拡大を防ぐ手法であり、利益を積み重ねていく上では必要不可欠。
しかし、初心者は口座資金を減らしたくない気持ちから、すぐに損切りできないケースが多いのです。


最初は小さな含み損でも、相場が逆行し続ければみるみるうちに膨れ上がってしまいます。
最悪の場合、口座資金のほとんどを失うリスクもあるため、自分の予想が外れた時はなるべく早めに損切りしましょう。



含み損が消えるのを待つより、サクッと損切りして次のチャンスを狙った方が効率的だね!
含み損が一定以上に膨らむとロスカットされる
含み損は辛抱強く待っていれば解消するかもしれませんが、あまりに相場の逆行が強烈すぎると、証拠金維持率が低下してロスカット(強制決済)される可能性があります。
証拠金維持率とはポジションを持つために必要な証拠金に対する純資産の割合であり「純資産÷必要証拠金×100(%)」で計算が可能。
【ロスカット基準が50%の場合】





ちょっと待って!証券会社に勝手に損切りされちゃうってこと!?



物騒な言い方だけど…まあその通りだね。含み損が膨らんで証拠金維持率が一定以下になると、自動的に実行されるんだ!
失敗事例② 過度なレバレッジをかけている
FXのレバレッジは、口座資金の何倍もの通貨がトレードできる便利な仕組みです。
ただし、利益と同じく損失も拡大する点には注意が必要であり、レバレッジをかけすぎた結果、大きな損失を抱えてしまう初心者も少なくありません。



レバレッジをかければ効率的に稼げるけど、その分損失リスクも高まるのね…。



そうだね。たとえば以下の条件で100万通貨の買いポジションを持った場合、たった1ドル分の下落で10,000円の損失が発生するんだ!
【レバレッジをかけたトレードの参考例】
- ドル円レート:100円
- 口座資金:5万円
- 20倍レバレッジ


もちろん、レバレッジをかけすぎると含み損の増加ペースが早くなり、ロスカットまでの余裕もなくなってしまいます。
以下の記事では、レバレッジのリスクをさらに詳しく解説しているので、トレードを始める前にしっかり把握しておいてくださいね。


失敗事例③ 上がりそう!下がりそう!だけでトレードしている
十分に分析せず「上がりそう」「下がりそう」といった勘や思い込みだけでエントリーするのも、代表的な失敗パターンの1つといえるでしょう。



売りか買いの二択だから、なんとなくでもやっていけそうじゃない?



たしかに偶然勝てることもあるかもね!ただ、なんの根拠もないトレードを繰り返していると、いずれ復活できないレベルの損失を抱えてしまうんだよ。
たとえば、下図のような上昇トレンドでは「いかにも上がり続けそう」なので、分析を省いて買いエントリーで飛び乗りたくなるでしょう。
上昇トレンドとは高値と安値が切り上がっている相場状況を指しており、全体的に買い注文の勢いが強まっている。逆に高値と安値が切り下がっている場合は「下落トレンド」と呼ぶ。
【EURUSD4時間足チャート】


しかし、最初は上昇し続けるかに見えても、数時間後にはあっさり下落してしまうことがあり、不用意なエントリーによって大きな損失が発生するのです。


事実、Twitterでもさまざまなトレーダーが「勘や思い込みのエントリー」を控えるように注意喚起しており、どれだけ危険性が高いかがわかりますね。
おはようございます。
— 鈴木 拓也 / FXメガバンク (@Tya_FX_dealer) July 7, 2022
チャートを見た瞬間、すぐにトレードすると大抵負ける。
なぜなら、取引の根拠が薄いから。
全然分析もせずに、勘だけを頼りに取引しているので負けて当然。
チャートをこれでもかというくらい分析し、チャンスをとことん待って、やっとエントリーしてはじめてFXで稼げる
価格が「上昇(下落)しそうなチャート」を見るとつい飛び乗りたくなりますが、毎回必ず分析を行い、明確な根拠を持つようにしましょう。
失敗事例④ 期待値100%以上でトレードできていない
FXで失敗する方は「期待値が低いトレードを繰り返している」ケースが少なくありません。



期待値は何となくわかるけど、具体的な期待値の基準はあるの?



安全性を確保したいなら期待値100%以上が理想だよ!ここでは期待値の判断に役立つバルサラの破産確率表をチェックしておこう!
バルサラの破産確率表とは、特定の条件でトレードした際に口座資金を失って相場から退場してしまう確率を示した表です。
計算に用いる要素は以下の3項目であり「破産確率0%=期待値100%」になるよう、勝率やリスクリワードレシオを調整しましょう。
- 損失許容率:トレードごとで許容できる損失の割合
- 勝率:勝ったトレードの回数をすべてのトレード回数で割った数値
- リスクリワードレシオ:利益の平均値を平均損失で割った数値



リスクリワードレシオはちょっと複雑そうね…。



たとえば、トレードを100回やって利益の平均値が2万円、平均損失が1万円ならリスクリワードレシオは2になるんだ!何度か計算すればきっと慣れるはずだよ!
そして、損失許容率を2%とした場合のバルサラの破産確率表は以下の通り。
損失許容率2% | 勝率 | ||||||||||
10% | 20% | 30% | 40% | 50% | 60% | 70% | 80% | 90% | 100% | ||
リスクリワードレシオ | 0.2 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 0 | 0 |
0.4 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 0 | 0 | 0 | |
0.6 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
0.8 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
1 | 100 | 100 | 100 | 100 | 99.5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
1.2 | 100 | 100 | 100 | 100 | 0.02 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
1.4 | 100 | 100 | 100 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
1.6 | 100 | 100 | 100 | 8.28 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
1.8 | 100 | 100 | 100 | 0.14 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
2 | 100 | 100 | 100 | 0.01 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
2.2 | 100 | 100 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
2.4 | 100 | 100 | 43.52 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
2.6 | 100 | 100 | 4.87 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
2.8 | 100 | 100 | 0.77 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
3 | 100 | 100 | 0.16 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
もし破産確率が0%(期待値100%)にならない場合は、損失許容率を下げて調整してみてくださいね。



できる限りこまめに破産確率をチェックして、自分の戦略を見直すのがおすすめです!
失敗事例⑤ 生活費や借金でトレードしている
FXは、証拠金を増やして大きなレバレッジをかけるほど収益効率が上がります。
ただし、利益ばかり求めて生活費や借金を投入すると、感情任せのトレードになりやすく、失敗する確率も飛躍的に高まってしまうでしょう。


上図のように、生活費を失いたくないプレッシャーから損切りを渋るパターンが多く、借金返済を意識するあまり、根拠のないエントリーを繰り返してしまうケースも少なくありません。



一攫千金を目指したい気持ちはわかるけど、基本的にはなくなっても生活に支障のでない余剰資金でチャレンジしよう!
FXで失敗しないための対策5つ





FXで失敗するパターンはわかったけど、具体的な対策も知りたいわ!



それじゃあここからは、FXで失敗しないための対策を5つ確認していこう!
対策① 損切りルールを徹底して守る
FXは利益を積み重ねるだけでなく、損失を抑えることも重要なポイントです。
そのため、まずは自分なりの損切りルールを策定し、徹底して守るようにしましょう。



損切りルールってよく聞くけど、どうしてそんなに大切なの?



たとえば、相場が逆行し続けてるのに損切りしないでいると、みるみる含み損が増えていくよね?そうなれば、当然ロスカットされて資金の大半を失ってしまうんだ。
具体的な損切りルールはトレーダーによってさまざまですが、初心者はまず比較的わかりやすいレジスタンスラインを活用するといいでしょう。
レジスタンスラインとはチャートの高値同士を結んだ一本の線であり、価格が近づくと売り注文が集まって反発下落することがある。
ラインをブレイクした際は上昇圧力が強まるケースが多いため以下のように「レジスタンスラインの上あたり」に損切りラインを設定するのがおすすめです。





ちなみに安値同士を結んだ線はサポートラインと呼ばれてるよ!そちらは買い注文の損切りラインに活用できるね!
損切りルールの詳しい内容は以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
対策② 低レバレッジに抑える
損失リスクを抑えるためにも、初心者はまず低レバレッジで始めて、トレードに慣れてから少しずつレバレッジを上げていきましょう。
事実、さまざまなトレーダーがハイレバの危険性を提唱し、低レバレッジからのデビューを推奨しています。
【みんなのFXデモ口座】


ツールの操作方法やトレード手法だけなら、デモ口座でも十分学べるので、気になる証券会社があればぜひ申し込んでみてください。
以下の記事では、ノーリスクでトレードが学べるおすすめのデモ口座をより詳しく解説しています。


対策③ トレードルールに基づいてエントリーする
FXの成功率を高めたいのなら、自分なりのトレードルールを策定し、毎回ルールに基づいてエントリーしましょう。
具体的には、以下3つのポイントを事前に決めて、チャートパターンやテクニカルチャート、相場のトレンドといった材料を基に期待値の高いトレードルールを採用する流れです。
- エントリーポイント
- 損切りライン
- 利益確定ポイント



大まかな流れはわかったけど、もっと詳しいエントリーのやり方が知りたいな。



それじゃあここでは、下落を示唆する三尊というチャートパターンを例に見ていこう。
三尊(さんぞん)とは、為替相場の高値圏で発生しやすいチャートパターンであり、三つの山が「三尊仏」のような形となってます。
下落トレンドへの転換時に出現することから、以下のように売り注文のサインとして活用できるでしょう。
【EUR/JPYの4時間足チャート】


三尊は山の高さ、ネックラインの高さがお同じ位置のものが勝率が高いやので、しっかりと勝率の高い三尊のみを狙ってトレードしていきましょう。
三尊のトレード手法はこちらの動画で解説しています↓
対策④ 通貨ペアの特徴を覚える
FXの通貨ペアはそれぞれ異なる特徴を持っているため、まずは自分がトレードする銘柄について勉強しておいたほうがいいでしょう。



勉強が必要なのはわかったけど、具体的にどんなことを覚えればいいの?



特に重要なのは値動きが活発化する時間帯だね!通貨発行国によって大きく変わってくるから、以下の表をチェックしておこう!
【世界各国の市場が開く時間】
市場 | 代表的な通貨ペア | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
ウェリントン | NZD/JPY | ||||||||||||||||||||||||
シドニー | AUD/JPY | ||||||||||||||||||||||||
日本 | USD/JPY | ||||||||||||||||||||||||
ロンドン | EUR/JPY・EUR/USD | ||||||||||||||||||||||||
ニューヨーク | USD/JPY・EUR/USD |
*3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは夏時間適用のため1時間早まる
具体的に、ニューヨークとロンドン市場が重なる22時以降はEUR/USDが活発化しやすく、逆に日本時間のお昼ごろは値動きが落ち着いている傾向です。
相場が活発に動く時間帯を把握しておけば、利益が獲得しやすいタイミングにピンポイントでエントリーできるので、ぜひ参考にしてくださいね。



時間帯以外にも、通貨ペアごとに反応しやすい経済指標を押さえておくといいよ!
対策⑤ 余剰資金でトレードする
FXを始める際は、借金や生活費を投入するのではなく、必ず余剰資金でトレードしましょう。
余剰資金とは保有している資金のうち、生活費などを差し引いた当分使う予定のないお金。失っても生活に支障のない資金を指す。
万が一失っても生活は問題ない、という安心感から分析やエントリーを冷静に進められるようになり、損切りもためらわずに行えますよ。



それなら、余剰資金を全額投入すればストレスフリーでトレードできそうね!



ちょっと待った!いくら生活に支障がないとはいっても、大切なお金であることに変わりはないよ。万が一負けてもいいように、基本的には余剰資金の最大10%でトレードするのがおすすめ!
具体的に、以下の収入状況なら余剰資金10万円の10%となる1万円が資金の推奨資金額です。
- 労働収入30万円
- 生活費20万円
- 余剰資金10万円(労働収入-生活費)





たしかにこれなら10回負けても生活に支障がでないわね!とても気持ちがラクになるわ。



そうだね!余剰資金は人それぞれだけど、基本的には最大10%に収めるようにトレードしていこう!
FXのリアルな失敗事例3選





FXの失敗パターンと対策はわかったけど、トレーダーのリアルな失敗談も聞いておきたいな。



それはいい考えだね!もっと具体的なイメージを掴むためにも、3つの事例を確認していこう!
専業トレーダーになってから8カ月後に破産
投稿者自身の失敗ではありませんが、公務員を退職後に専業デビューしてから、数か月で自己破産してしまった事例があります。
公務員を退職して専業トレーダーになったツイートから8ヶ月後に、自己破産ですってツイートしてる人見た…
— 🔰蟹づくし🔰 (@kani_beginner) August 25, 2022
2月以降のトレードから崩れてしまったようだ…それにしても自己破産まで急降下過ぎる…FX…怖い世界だ😱
これがあたしだったら、公務員やめたこと死ぬほど後悔しそう😭
詳細は把握できないものの、損切りを先延ばしにしてロスカットを繰り返し、最終的に手を出してはいけない生活費や借金を投入したことが考えられるでしょう。


一歩間違えれば誰にでも起こり得る事態なので、必ず余剰資金での運用を徹底してくださいね。



手堅い公務員を辞めてまで専業トレーダーになったのに…。



こうした状況を避けるためにも、絶対に借金はやめておこうね。
損切りせずにナンピンして含み損が拡大した
損切りは口座資金を守る上で必要不可欠な手法です。しかし、投資経験が少ないばかりに重要性がわからず「損切りすべきところでナンピンしてしまった」という事例もあります。
あと投資しないから含み損の経験もなくて、今の汁でガッツリ含み損の状態でパニクってる。損切りすべきところで3回も4回もナンピンしてしまった。
— coken111 (@coken111) September 2, 2022



この人が言っているナンピンってどんな手法なの?



保有ポジションに対して相場が逆行した時、さらに追加注文する手法だよ!利益は増えるけれど、逆行し続ければ含み損も倍増するんだ。
たとえば、以下のように一時的な下落局面で買いのナンピンを行えば、上昇した際に大きな利益が得られるでしょう。
【買いナンピンで上昇した場合】


一方、上昇せずに下落し続けてしまうと、ポジションを増やした分だけ含み損を抱えてしまうのです。
【買いナンピンで下落した場合】


ナンピン自体が悪いわけではありませんが、分析によって一定以上の根拠が得られないのであれば、含み損が少ないうちに損切りしましょう。



この事例のように感覚だけでナンピンするんじゃなくて、きちんと損切りした方が投資の安全性が高まるよ!
1年かけて稼いだ利益が2週間ですべてなくなった
FXは上手く運用すれば数百万円を稼ぐことも不可能ではありません。
しかし、負けトレードが連続するとあっという間にそれまでの利益分がなくなってしまうケースがあるのです。
昨年1年間でFX300万円の利益が出てたけど、2週間で全部なくなった笑
— しゅしゅ (@shuno19) March 29, 2022
初めてこんなに損した😣



たったの2週間で1年分の努力がなくなるなんて信じられないわ…。



そうだよね。ただ、失敗しないための対策を怠れば誰にでも起こり得る事態なんだ。
順調に成果がでるとつい気が緩んでしまいがちですが、大切な利益を失わないためにはトレードルールや損切りルールといった対策を徹底して守らなければなりません。
バルサラの破産確率表でトレードの期待値をこまめにチェックするのも効果的なので、ぜひ活用してみてください。
FXの失敗事例を学んで投資の安全性を高めよう





FXの失敗パターンを把握すれば、安全性を高めてトレードできそうね。



FXの失敗パターンはある程度共通しているから、あらかじめ押さえておけば初心者でも安全にチャレンジできるんだ。今回は低レバレッジやトレードルールなどの対策も解説したから、ぜひ参考にしてね!
初心者にありがちなFXの失敗パターンは以下の5つ。
- 損切りできない
- 過度なレバレッジをかけている
- 十分に分析しないでエントリーする
- 通貨ペアごとの特徴が掴めていない
- 生活費や借金でトレードしている
上記を踏まえて対策を検討すれば、より安全性を高めてFXのトレードが行えるでしょう。
口座資金を失うのが不安な方は、損切りルールを徹底しつつ余剰資金の10%内でトレードするのがおすすめ。
バルサラの破産確率表も戦略の見直しに役立つので、さっそく活用してくださいね。