
スイングトレードって難しいイメージがあるんだけど、FX初心者でもできるのかな?



しっかり取引手法を確立すれば、FX初心者でもスイングトレードで稼げる可能性は十分あるよ。スイングトレードのやり方を学んでいこう。
スイングトレードは数週間にわたってポジションを保有し、1回のトレードで100pips以上獲得できることもあるトレードスタイルです。
チャートをずっと見ていなくても良いことや、細かな値動きに左右されないことから、短期取引をしている方にとっては魅力的に映る部分も多いでしょう。しかし日をまたぐ取引経験がないと、スイングトレードのやり方がわからず悩むこともあるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、スイングトレードのメリット・デメリットや順張りの具体的な取引手法まで詳しく解説していきます。
スイングトレードに興味があっても手が出せずにいた方は、ぜひ最後までご覧ください。
スイングトレードとは?


スイングトレードとは、数日から数週間にわたってポジションを保有し大きな値幅を狙うトレードスタイルのことです。
スイングトレードのほかには、以下のようなトレードスタイルが存在します。
トレードスタイル | |
①スキャルピング | 数十秒~数分など超短時間での取引を繰り返す |
②デイトレード | 日付が変わるまでなど原則1日以内で取引を行う |
③スイングトレード | 数日~数週間にわたってポジションを中長期保有する |
④ポジショントレード | 数週間~数ヶ月、数年にわたってポジションを長期保有する |
スイングトレードはトレンドに沿って取引する順張りを行うトレーダーが多く、4時間足や日足といった長い単位の時間足を使って分析を行います。
使用する時間足が長いので、5分足などに比べると値動きは緩やかになります。そのため、スキャルピングやデイトレードに比べて取引タイミングは絞られるものの「常にチャートを監視し続ける必要がない」という特徴があります。
スイングトレードのメリット


それでは、具体的にスイングトレードのメリットを見ていきましょう。
主に挙げられるメリットとしては以下の4点です。
- チャートを見る時間が短い
- 精神的・時間的に余裕を持ってトレードができる
- 1回の取引で獲得できる値幅が大きい
- ポジションの長期保有によるスワップポイントが得られる
スイングトレードでは、一度注文を入れたら基本的に数日~数週間ほどはポジションを保有したままです。
そのためチャートを見るのは1日数回相場状況を確認するだけでも十分で、仕事などで忙しい方も取り組みやすいトレードスタイルといえます。
また、スイングトレードは主に4時間足以上の長期的な値動きで取引するので、5分足などの細かい値動きには大きな影響を受けません。スキャルピングやデイトレードだと価格の乱高下に振り回されてしまう、という方も冷静に取引できるでしょう。
加えて、スイングトレードは1回の取引で100pips以上など、まとまった値幅を取れることもメリットです。通貨ペアによっては日をまたぐポジション保有によってスワップポイントが付与され、利益に上乗せが期待できることもスイングトレードの魅力といえます。



取引回数が少なくなれば、生活スタイルをあまり崩す必要がなくてうれしいわ。



4時間足以上ならチャートをじっくり観察できるから、分析も落ち着いてできるね。
スイングトレードのデメリット


いくつものメリットがある一方で、スイングトレードにはデメリットも存在します。
デメリットとして挙げられるのは以下の3点です。
- トレンドを捉えないと利益を出すまでに時間がかかる
- ポジションを長期保有するため経済指標の影響を受けやすい
- 狙う値幅が大きいため想定されるリスクも比例して大きくなる
スイングトレードで利益を出すには、相場が一方向へ大きく動くトレンドをつかむ必要があります。
一定値幅間で価格が動くレンジ相場が長く続いていると取引機会そのものが少なくなるなど、相場状況によっては利益を上げにくい点を理解しておきましょう。
また、一度注文を入れた後はポジションを長期間保有することから、相場が急変動した時にスキャルピングやデイトレードより影響を受けやすい面もあります。重要な経済指標発表や要人発言、自然災害などで相場が急変するリスクを常に考慮しておかなければいけません。
さらに、一度に100pips以上など大きな値幅を狙うスイングトレードでは、損切り幅が広くなることもデメリットといえます。利益と損失の割合であるリスクリワード比を2:1と設定した場合、デイトレードとスイングトレードでは下のような違いが出ます。
トレードスタイル | 利益 | 損失 |
デイトレード | 20pips | 10pips |
スイングトレード | 200pips | 100pips |
損切り幅が広くなりがちなスイングトレードにおいては、小さな利益を積み重ねるだけだと損失の方が大きくなってしまうリスクがあることを理解しておきましょう。
スイングトレードはこんな人に向いているトレードスタイル


メリット・デメリットを踏まえて、スイングトレードに向いている人をまとめると以下のようになります。
- FXに費やせる時間が少ない人
- 少ないトレード回数で稼ぎたい人
- 短期取引よりも長期取引の方が得意な人
- メンタル管理ができる人
1日中チャートに張りついていられない、という方にスイングトレードのスタイルはぴったりです。取引回数が多くなると勝率が下がってしまう、短期取引は焦りが出るといった悩みを持っている場合もスイングトレードで成績が改善する可能性は高いでしょう。
ただ、最も重要なのはメンタル管理ができるかどうかです。
数週間以上もポジションを持ち続けると、その間ずっと相場の変動を気にし続けなければならず、時には数百万円以上の含み損を抱えることもあります。スキャルピングやデイトレードとは違った緊張感を強いられるため、メンタルの強さは必須です。
専業トレーダーになるならスイングトレードは必須?
ちなみに、専業トレーダーになるにはスイングトレードでなければいけないのでは、という疑問もあるかもしれません。
結論からいって、スイングトレード以外でも専業トレーダーになることはできます。
スイングトレードは1回のトレードで得られる利益が多いため、稼いでいる金額も多いと思いがちです。しかし、月400pips稼ぐとしても1回100pipsを4回と1回400pipsを1回なら結果的に得られる利益は変わりません。
同様に、専業トレーダーの中にはスキャルピングをメインにしている方もいれば、デイトレードで毎日20pipsずつ積み上げて月400pips獲得する方もいます。最終的に得られる利益が同じになれば、トレードスタイルが違っても専業トレーダーとして成立するのです。



専業トレーダーってみんなスイングトレードだと思ってたけど、特にそういう決まりはないのね。



時間的にも精神的にも余裕が出るから、スイングトレードを好む専業トレーダーはいる。でも、自分が稼げるトレードスタイルを見つけて練習することが何よりも大切だ。
スイングトレードで利益を出すコツ・取引手法


それでは、スイングトレードの具体的なやり方を見ていきましょう。
スキャルピングやデイトレードに比べてトレード機会が限られている分、スイングトレードの成否は取引前に入念な分析ができるかどうかが鍵を握ります。焦らず時間をかけて分析することが大切です。
メジャー通貨の4時間足で分析・トレードする
スイングトレードでは、4時間足を軸にチャート分析やトレードを行います。
さらに、相場は大きな時間足ほど意識されやすい傾向があるので、長期的なトレンドを見る時は日足や週足、月足まで活用することが大切です。
日足以上の時間足でトレンド方向を分析したら、4時間足で取引タイミングを計ります。
実際に2022年6月時点のポンド円(GBP//JPY)チャートで分析してみましょう。
赤線:20週日移動平均線、緑線:75週日移動平均線、青線:200週日移動平均線
週足で見ると、移動平均線が3本とも同じ向きで上を向いているパーフェクトオーダーとなっています。短期移動平均線に沿って動いていることからもわかるように上昇トレンド中です。
赤線:20日移動平均線、緑線:75日移動平均線、青線:200日移動平均線
日足になると、短期~長期まで各移動平均線を突き抜けて価格が落ちる場面が見られます。上昇トレンド中ではあるものの、少しずつ売りが強くなってきている可能性があるでしょう。
赤線:20期間日移動平均線、緑線:75期間日移動平均線、青線:200期間日移動平均線
週足、日足を踏まえて4時間足を確認すると最高値の更新が止まり、やや揉み合いの様子が見られるため無闇に買い注文を入れるべきではありません。このように、大きな時間足から順にチャートを見て相場状況の把握を行いましょう。
リスクリワードを決めて損切り幅を設定する
取引にあたっては、事前にリスクリワードを設定し損切り幅を決めておきます。
リスクリワードとは1回のトレードにおける利益・損失の比率のことで、リスクリワードを1:1に設定すれば利確幅と損切り幅の両方が同じ比率となります。ただ、リスクリワードを1:1に設定することはほとんどありません。
例として、リスクリワード2:1で10万通貨分の取引をした場合の損益は以下のようになります。
取引回数 | 値幅損益(pips) | 損益(金額) |
1回目 | 200 | +20万円 |
2回目 | -100 | -10万円 |
3回目 | -100 | -10万円 |
4回目 | -100 | -10万円 |
5回目 | 200 | +20万円 |
6回目 | -100 | -10万円 |
7回目 | 200 | +20万円 |
8回目 | -100 | -10万円 |
9回目 | -100 | -10万円 |
10回目 | 200 | +20万円 |
合計 | 200 | +20万円 |
リスクリワード2:1で利確が200pipsなら、損切り幅は100pipsです。そして注目すべきは、勝率40%でも20万円の利益が出ていること。リスクリワードを2:1や3:1に設定しておくことで、勝率が思うように上がらなくても利益を得られる可能性が高くなります。
FX初心者はボリンジャーバンドで順張りがおすすめ
スイングトレードの取引手法としては、FX初心者なら移動平均線にボリンジャーバンドを加えて分析することをおすすめします。
スイングトレードではトレンドに沿って売買する順張りこそが最強といえる手法なので、移動平均線+ボリンジャーバンドは好相性です。
橙線:200日移動平均線
上画像では、価格は長期移動平均線の下を推移しているので下降トレンドです。しかも+2σラインを超えて+3σラインにタッチした時に価格は移動平均線にも近づいているため、上画像で丸印をつけた部分は強い根拠を持ってエントリーできるポイントといえます。
トレンドに沿ったトレードを行えば勝率は確実に上がっていくため、焦らずトレードチャンスを待つことが大切です。



損切り幅を決めてトレードルールでも損切りする場所を決めておけば、迷わず決済できそう。



ルールを決めずに取引してしまうと、損切りできないまま資金を溶かすことにもなりかねない。損切り幅はトレードルールで欠かせない要素だから、必ず設定しよう。
スイングトレードをする時の注意点


スイングトレードのやり方がわかったところで、注意点についても押さえておきます。
スイングトレードはチャートに張りついている必要がなく、一度に大きな値幅を取れるというメリットがあります。しかし一方でスキャルピングやデイトレードより注意すべきポイントもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
長期保有が前提になるので稼ぐにはまとまった資金が必要
スイングトレードは数日~〜数週間の長期保有が前提なので、値動きの幅も大きくなります。
そのため、注文を入れたタイミングによってはポジションを持った時から何日間にもわたって含み損がふくらんでいく可能性もあります。取引量にもよりますが、プラスに転じるまで大きな含み損を抱えても耐えきれるだけの資金が求められる、ということです。
FXでは1回の取引における損失額が資金の2%以内だと破産しにくいといわれています。
マイナスに耐えられるメンタルがないと難しい
スイングトレードをする時は、マイナスに耐えられるだけのメンタルがないと損失が拡大しやすいことにも注意が必要です。
マイナスというと含み損のイメージが強いですが、実際のトレードでマイナスが発生するのは含み損や決済時だけに限りません。
FXでは「損小利大」が鉄則ですが、FX初心者ほど損大利小になりがちです。そして損大利小になってしまう原因のひとつが損切りで、もったいないという気持ちが働いて決済や損切りができなくなることが非常によくあります。
行動経済学のプロスペクト理論によると、人間は損失を避けようとする習性を持っているとされています。
FXにおいて損失回避性は利益が減少した時にも見られるので、
- 資金10万円からFXの取引をスタート
- 一時含み益が100万円まで増加
- 相場変動により含み益が50万円まで減少
このような場合、50万円の利益が出ているにもかかわらず100万円が半分に減ってしまった、と感じてしまうのです。
しかも、利益を確定しておけば50万円プラスですが、決済できないままポジションを持ち続けてマイナスになってしまうことも少なくありません。
利益・損失とも大きく変動しやすいスイングトレードだからこそ、利確や損切りをあらかじめ決めたトレードルール通りに行えるようメンタル管理しましょう。
スイングトレードは順張りで長期的に取り組むことが大切





スイングトレードは、分析が当てはまれば少ない取引回数でも大きく稼げる可能性を秘めているんだね!



一方でスキャルピングやデイトレードに比べて、1回の取引で多額の損失を出すリスクもあることを知っておく必要があるよ。メリットとデメリットの両方を理解した上で、スイングトレードの鉄則である順張りトレードを意識することが大切なんだ。



コツコツ中長期的な目線で分析から取引まで取り組むことでスイングトレードの強みを最大限まで引き出せるのね!私もがんばってみる!!