これからFXや株式など、トレードを始める初心者が必ず用意しておきたいのがトレードノートです。
トレードノートは、トレード日記やトレードレポート、トレーディングダイアリーといろいろな名称で呼ばれています。つまり、自分のトレードの記録・スケジュール帳みたいなものですね。
多くの投資家が「トレードで成功するためにトレードノートは欠かせない」と、決まり文句のように口にしています。トレードノートをつけるかどうかで勝率は明らかに変わってくるようです。
今回はトレードノートには何を書くべきなのか、トレードスキルが上達する書き方や継続法を解説していきます。
トレードノートとは


日記とか子供の時から続かないんだけど。トレードノートはどうして必要なの?



なぜトレードノートが必要なのかを簡単に説明すると、自分のトレードの良い点・悪い点を把握するためなんだ!
トレードノートが必要な理由を詳しく見ていこう。
なぜトレードノートをつけるのか
「なぜトレードノートをつける必要があるのか」理由がわかればきっと、ノートをつけるコツがつかめたり継続しようと思う気持ちになれますね。
自分に合ったやり方で無理をせずにノートをつければ、継続できることでしょう。
理由
トレードノートをつける一番の理由は、自分のトレードを振り返りながら向上させていくことにあります。
- トレードへの心構えをつくる→でたらめにトレードしなくなる
- なぜエントリーしたかを考えるようになる→ノートに書くようにする
- 目的意識が持てる→トレードでの目標が立てられる
- 自分のトレードを振り返れる→良い点・悪い点がわかる
- 良い点を生かし、悪い点が改善しやすくなる→上達が早くなる
トレードをする時にノートを開いて日付を書くだけでも、今日はトレードをするのだという心構えが変わってくるのです。ノートを書く場合と書かない場合とでは、トレードへの姿勢が違うということです。
「さて、どんなトレードをしようか」
「さて、今日の市場はどのように動いているか」
「これからどのように動く可能性があるか」
など、自分自身と市場を冷静に見ていけるようになります。なんとなく適当にエントリーしてしまうことが防げるという投資家もいます。
日々のトレードを書いていくことで、目標を立てたり反省点、良かった点などが見えやすくなったりするのもノートをつける大きなメリットです。
次のトレードにて良い点を生かし、悪い点を改善しながらスキルを上げていけるのです。



言葉にして書いてみることで、見えなかった相場の動きや自分の行動パターンに気づくこともあるんだよ。
トレードノートには何を書くべき?上達する書き方





じゃあ、私も頑張ってトレードノート書いてみようかな。でも実際に何を書けばいいの?



参考までに、どんなことを書くのか例を見てみようか。
書く項目の例
- ノートを書く日付(曜日、時間など)
- マーケットの状況 (上昇? 下降? どんな感じか)
- 今後の相場予想(買い? 売り? なぜそう思うのか、根拠)
- トレード戦略(エントリー、利確・損切りなどターゲット価格の設定)
- トレード日時
- 通貨ペア
- エントリー日時
- 結果
- 反省点や成功点
- 相場で気づいたことや気になること
などを挙げることができます。
「どんなトレードをしようと思っているのか」「なぜそう思うのか」そして、「トレード結果はどうだったのか」「何が良かった・悪かったのか」といったことをノートにわかるように書きましょう。
徹底的に書きたい方
とことんこだわって細かく書きたい方は、上記で紹介した基本的な内容にプラスアルファで以下のようなものを追加できます。
- チャート画面(手書きやアップロードしたもの)
- 価格、ロット数、ポジション数、注文方法
- 決済した根拠(損切りした根拠)
- 含み損・含み益の時間
- ポジション保有時間
- 資金状況(証拠金維持率、残高など)
- 損益率
- ポートフォリオ比率
- 気になる通貨ペア・気になる経済情勢
- トレードスケジュール
- 週間・月間レポート
というように、書こうと思えばいくらでも細かく書くことが可能です。これは、本人がどこまで書きたいか(目を向けるか)によるといえます。
簡単に書きたい方
こういう作業が苦手で、簡単に書きたい方は4つぐらいの項目から初めていくことも可能です。
- トレード戦略(どんなトレードをするのか・根拠)
- トレード詳細(通貨ペア・ポジション)
- トレード結果(利益・損失)
- トレードレビュー(反省点・成功点)
これだけ書くのであれば、ノート1ページも使わないぐらいです。それでも、書くのと書かないのではまったく結果は違ってきます。書くのに慣れてきたら必要に応じて、書く項目を増やしていきましょう。



簡単にトレードの様子を書いただけでも、後から勉強になることは多いんだ。
トレードが上達するために大切なこと
トレードノートの目的は、自分のトレードを振り返り改善・上達していくことが一番の理由です。ノートに書く内容には決まりはありませんが、意識したいのがPDCAです。
PDCAを押さえておこう
PDCAとは……
- Plan = 計画
- Do = 実行
- Check = 評価
- Action = 改善
以上4つの動きのことで、ビジネスでもよく使われている概念です。トレードも最終的には売買して利益を得るビジネスのようなもの。
トレードスキルの向上にあたって、PDCAに沿ってトレードを考えていくと上達が早いといわれています。


トレードにPDCAを当てはめると以下のようになります。
- P → トレード戦略を立てる
- D → トレードを実行する
- C → トレード結果を評価する
- A → トレードを改善する
というように、1~4の動きを繰り返していけば自然と腕は上がっていくということです。



ノートを書く時に、PDCAを意識しておくと結局そのトレードがどうだったのか、何が悪(良)かったのかがわかってくるよね。
悪い点も良い点もしっかり記録することが大事なんだ。
トレードノートは手書き?ソフト?





なんだか私もしっかりトレードノートをつけたくなってきた! 最初は簡単に始めて、いつかプロのように専門的なノートを作るね!



そうだね! 勝つために楽しみながらトレードノートを書いていけば、継続して続けることができる。
次は、どんなトレードノートがあるのか、手書き版やPC版なんかを紹介していこう。
手書きでトレードノート
まず、トレードノートで最もスタンダードな方法は手書きでノートに書いていく方法です。ノート1冊とペンが1本あれば作成できます。さらに、色ペンやマーカー・付箋などもそろえておくと便利。
手書きノートの場合は文房具にこだわったりして、気持ちを盛り上げていけます。表紙にはタイトルをかっこよくつけてトレードのモチベーションを高めていきましょう。
書きたくなるノートを選ぼう!
定番はCampusのような普通のノート


定番はCampusのような大学ノートタイプ。100均やアマゾンなどから5冊売りのお得なものを探すことができます。
薄い横線が入っているだけのシンプルなものなら、使い方も自由自在。箇条書きで書いてもいいですし、家計簿調に縦線を加えてもいいですよね。
手書きトレードノートの例(家計簿調)
手書きトレードノートの例(今日学んだこと)
手書きトレードノートの例(走り書きメモ)
気になることも走り書きで残しておけます。
チャートや表を自分で書き込みたい方には方眼ノートもおすすめです。定規を使わなくても縦線や横線が引きやすくなります。
方眼ノートも便利!
手書きトレードノートの例(チャート貼り付け)
チャート画面を印刷して貼り付ける投資家も結構いるようです。貼り付けたチャートに書き込んで戦略を練られますね。
スケジュール帳を使う方法もある!
他にも使えるのがスケジュール帳です。1日のタイムスケジュール、週間、月間などそれぞれの投資スタイルに合わせて選べます。
トレードのスケジュール管理もできる
スペースが区切られていて、日付入りのものも多いです。用途に合わせていろんな欄を使い分けられるので、見た目にもわかりやすいでしょう。
スケジュール帳を使ったトレードノートの例(シンプル)
スケジュール帳を使ったトレードノートの例(楽しい)
イラストを書き込んだり、シールを貼ったりしても楽しいですね。トレードへの情熱を盛り上げて、勉強意欲を向上していけます。チャート分析など週末の予定も効率よく決められます。
市販のトレードノートを使う
市販でトレード専用のノートも出ています。ただ、項目が多すぎたり融通がきかないとの声もあるようです。
手書き用の備品もそろえておきたい!
あるとさらに便利な備品も見ておきましょう。
2色ぐらいあると便利なマーカー・3色ペン
付箋もなにかと役に立つ





好きなものをそろえれば、トレードの勉強もはかどるよ。
そのかわり、作成に熱中しすぎると勉強や分析がおろそかになるから注意しようね。
PC・スマホでトレードノート
PC・スマホ派は、エクセルやワード、Googleスプレッドシートなどを使ってトレードノートの作成ができます。クラウドに保存すれば手書きのようにノートが溜まることもありませんし、管理が簡単になるのがメリット。
エクセルやワードで好きなように作成!
エクセルでトレードノート
エクセルだとあらかじめ設定しておけば選択型での入力も可能です。集計が出しやすいのもいいですね。
ワードでトレードノート
ワードで作成して、プリントアウトでノートとして保管する方法もあります。
ちなみにGoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントもエクセル・ワードのようなもので、アカウントを作成すれば無料で誰でも使えます。
マイクロソフトのものと互換性が高いワード・エクセル機能ならApache OpenOfficeが無料です。



投資家が提供しているテンプレートをネット検索で探すこともできるよ。
エクセルやワードに慣れていないと、ちょっと難しいかもね。
専用アプリを使ってトレードノート
トレードノートはスマホアプリでもたくさんの種類が出ています。高度な集計ができたり、選択するだけで入力できるのが魅力です。チャート表示も楽々。PCやスマホ操作が苦手でも簡単に使えるものもあります。
TradeNote(トレードノート)




TradeNoteは、スマホにインストールして使うトレードノートアプリです。AndroidとAppleの両方に対応しています。
トレードするたびに日付と資産残高を入力するだけ。資産推移を確認するためのシンプル機能のアプリです。


各自のトレードノートの補足ツールにも使えます。
FXトレード記録(iOS対応)


自分の弱点をしっかり見極めていきたい方に役に立つのが、FXトレード記録です。その日のトレードを反省して、勝てるようになることを目的とした内容になっています。今のところ対応はApple iOSのみ。
月ごとに反省のタイプ別に集計を出して、犯しやすいミスを教えてくれるのです。トレードの改善につながりますね。すべてのデータは見やすいようにグラフ化されています。
FXトレード記録(Android)


スマホでも、失敗を防ぎつつしっかり記録していきたい方におすすめなのがAndroid版のFXトレード記録です。取引の細かい記録、収支管理、自己分析がおもな機能です。
決済理由や分析結果を入力する欄がきちんとあります。エントリー前には、チェック項目にチェックを入れなければならないので、安易なエントリー・決済が防げます。



簡単入力がスマホでできるんだったら、誰でも簡単に続けられるね。
残せる内容が限られているから、ノートとの併用もおすすめだよ。
トレードノートを続けるコツ


SNSなどで検索してみるとわかるのですが、トレードノートを続けられない投資家がとても多いようです。
初心者の時に張り切ってノートをつけ始めたものの、いつの間にか面倒になってつけなくなってしまうようです。不思議とノートをつけなくなってから負け始めた、という声もよく聞きます。



トレードノートを続けるコツがあれば教えて!



トレードノートを続けるコツは、書く内容にこだわりすぎないこと。こだわりすぎると、思ったように書けなくてイヤになってくるんだ。
本当にひとことダイアリーみたいな感覚で書く方が続くんだよ。
続けるコツはたった1つ
トレードノートを続けるコツは、書くうえでのルールを決めすぎないこと。これ1つです。
あれも書いてこれも書いてとなると、トレードするたびに大変です。ノートをつけることの方が優先されて、トレードや分析にかける時間がなくなってしまいます。
何のためにノートをつけているのかを忘れ、ノート作成の方が優先されては本末転倒。書くのがストレスになってしまうでしょう。
「細かく書く必要はない」「きれいに書く必要はない」「完全に書く必要はない」
と最初から決めておけば気が楽です。時間がある時は細かくたっぷり書いて、時間がない時はひとことでもいいのです。自分のやり方に合わせて楽しみながら、ノート作成をすすめていくこと。そうすれば、仮にノートを休んだとしてもイヤにならずに続けていけます。
自分がわかればそれでよい
ちなみに、あるサイトで億単位で稼いでいるトレーダーのノートが公開されていました。
走り書きで他人が見てもわけがわからない、そんなノートでも結局は自分にとって役に立つ内容であれば十分なのです。
大切なのはトレードを振り返って、良い点悪い点を明確にしていくことです。



投資家の中には、トレード日記をTwitterでツイートしたり、ブログでひとこと公開するようになって続いたって人もいたよ。
トレードノートに決まりはない!ひとことでもOK


ノートをつけている場合とつけていない場合とでは、トレードへの心構えから変わってきます。初心者はたいていひたむきに真面目にトレードノートをつけますが、トレードに慣れてくると放置してしまう投資家も少なくないようです。
おそらく書かなくなった理由のほとんどは「細かく書きすぎる」「書く項目が多すぎる」などが負担になってくるからでしょう。書きたい方はたくさん書けばよいですし、苦手な方は簡単バージョンで続けていけばよいのです。
トレードノートの目的を一言でいうなら「トレードを振り返ること」「継続して振り返っていくこと」です。その日のトレードがわかれば極端な話、「負けた」「損切りできなかった」の一言で終わる日があってもいいのですね。そう思えば続けられそうではありませんか?
ぜひ今回ご紹介した方法を参考に、それぞれ自分に合った方法でさっそくトレードノートを書き始めてみてください!