日本銀行は裏で何をしている?黒田バズーカや日銀の仕組みについて

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日銀の為替介入をきっかけに、日銀の動向を意識するトレーダーが増えていますね。

為替取引の値動きを予想するために、金融政策の動向はとても重要になってきます。

なぜ日銀は物価が安定するように金利を上げたり下げたりするのか?

なぜ為替介入を行うのか?

日銀(日本銀行)が裏で行っている動きや仕組みなど詳しく解説していきます。

また黒田バズーカについても分かりやすく解説していきます。

目次

そもそも日銀(日本銀行)ってどんな銀行?

FX初心者ちゃん

最近日銀、日銀、って聞くけど「日本銀行」って一体どんな銀行なの?普通の銀行と何が違うの?

ペッパー

日本銀行を分かりやすく一言で説明すると「国が運営している」ってことだよ。この機会に日銀についてしっかりと学んでいこう。

日本銀行と民間銀行の違い

まずは、日本銀行と民間銀行との違いから…

三菱UFJや三井住友銀行、楽天銀行など、普段私たちが利用しているのは一般市民が設立して・運営している会社です。

一方、日本銀行とは国が設立して・運営している会社です。

日本銀行のイメージ

日銀(日本銀行)は税金など国の財政を管理することが主な目的となっていて、一般市民が利用することは基本的にありません。

日本銀行と中央銀行の違いは?

投資関連の記事では「中央銀行」「中銀」という言葉がよく出てきますよね。

そのため、中央銀行という銀行があるのかと思う方もいるようです。

中央銀行とは、国が運営する政府機関の銀行を総称したものです。

日本の場合、「中央銀行 = 日本銀行」となりますので、全く同じ銀行のことになります。

日本銀行のおもな業務は?

日本銀行の業務は、「金融機関への銀行サービスの提供」「日本政府の財政を管理・運用」「お金の製造・処分」と3つをあります。

  • 金融機関への銀行サービスの提供 → 銀行の銀行
  • 日本政府の財政を管理・運用 → 日本政府の銀行
  • お金を作ったり・処分したりする → 「お金をつくる銀行」

というように、日本銀行の役割は通常の銀行とはまったく異なるのです。

国全体のお金の流れを作る仕組みの銀行といったところでしょうか…。

FX(為替取引)で抑えておきたい日銀の動向

FX初心者ちゃん

FXを勉強する上で日銀のどんな動きを
チェックすればいいのかな?

ペッパー

日銀の動向を知ることで、今後ドル円がどのような動きになっていくか長期的な目線でわかるようになるから、順番にチェックしていこう。

日銀の政策金利をチェック

日銀(日本銀行)の業務の中で最も重要となるのが政策金利です。

各国の中央銀行は、国の経済・物価の安定をはかるために「金利を上げたり・下げたり」して調整しています。

中央銀行が設定する金利のことを政策金利といいます。

なぜ金利が重要なのかというと、

金利が低いより高い方が利息が多く得られるから、お金を預ける側からすると、とてもうれしいですよね?

そのため、金利が高い通貨に世界中から資金が流れる傾向にあります。

米国が利上げを維持、日銀が金利を上げずに現状維持することが、円売り・ドル買いのきっかけとなるのです。逆に、米国が利上げペースを落とし、日銀が利上げに踏み切るなら、円買い・ドル売りの可能性が強まります。

※日銀の政策金利は日銀会合にて決定されています。

日銀の金融緩和をチェック

日銀の代表的な政策として、覚えておきたいのが黒田総裁の金融緩和(通貨量・円資産を増やす)です。

黒田総裁は2013年に日銀のトップに就任した人物で、「黒田バズーカ」と呼ばれる政策が有名です。

現在の頑固なまでの金利維持は、すべて「黒田バズーカ」の理念に基づいています。

「黒田バズーカー」とは、マイナス金利と金融緩和(通貨量や国内資産を大幅に増やす)を組み合わせた政策のことです。

爆発的な円安から株高をもたらして、世界中の経済を活性化させる効果があります。

世界経済の動向が大きく動くため、別名「異次元緩和」とも呼ばれています。

出典:Investing.com

※左からパウエル議長(米国)、ラガルド総裁(EU)、黒田総裁(日本)

経済が落ち込む(デフレ)と、中銀は金利を下げて通貨量を増やし経済に流動性を与えます。

逆に、経済が過熱しすぎる(インフレ)と金利を上げて通貨量を減らして物価を下げようとします。

黒田総裁は就任以来、どんな状況においても「黒田バズーカ」政策にこだわり続けてきました。

インフレが進む中でも、「マイナス金利 + 金融緩和」にて2022年は円安がどこまでも進んでしまったのです。

それでも、一向に方針を変えないことが、世界の七不思議の1つになろうとしていました。

ところが12月20日には、黒田総裁が予想に反して金融緩和の縮小(利上げの可能性)を表明。

日銀の表明を受けて、長期金利の許容範囲を拡大したことで世界は騒然となり円高が加速しました。

まったく予想外の展開だったことが円買いの追い風となったようです。

日銀の発表後に1時間で4円急落する場面も。1日たたないうちに、ドル円は7円ほど急落したのです。

もし「金融緩和の縮小」が本格化して、利上げに踏み込むなら急激に円高が進む可能性が高くなります。

日銀の為替介入

さて、政策金利の現状維持にて国内ではさんざん非難された日銀ですが、為替介入が開始されてからは日銀のやり方を称賛する声も聞かれるようになりました。

2022年9月22日、ドル円がとうとう145円を突破したのを皮切りに、日銀は為替介入に踏み切りました。

以来、ドルが上がるたびに数回に渡って為替介入が継続されたのです。

為替介入とは…日本銀行が大量の通貨を売買して為替レートを操作すること。過度な円高・円安が生じると実施される。国際的に認められている行為で、円以外でも時々行われている。

どこまでも独走するドル高にストップをかける役割を果たしていて、12月20日に日銀が緩和縮小の発表をするまでは136円~137円台でドル円は推移。

そして、現時点では緩和縮小(利上げの可能性)から131円まで円高が進んでいる状態です。

日銀が前回為替介入したのは2011年なので約75円~80円で仕入れたドルを今高値で売っていることになります。

笑いが止まらない黒田総裁!?

市場では外貨準備金の約1割が為替介入に充てられるとの見方が強く、今後まだ為替介入が実施される可能性は十分にあります。

米国の利上げなどで円安が進みすぎた時には、日銀の為替介入に注意しましょう。

ですが、為替介入のタイミングは予測不可能なのでドル円の上昇局面では十分に注意する必要があります。

日銀の国債買い入れをチェック

もう1つ、補足的に知っておきたいのが日銀の国債買い入れです。

「国債買入オペ」と呼ばれている行為で、金融緩和(円資産を増やす)の一環として行われています。

国債とは…政府が発行する債券(借用書のようなもの)のこと。国債を購入するということは、国にお金を貸している状態。さらに詳しく➡日銀の国債買入オペとは

債券の仕組み

出典:債券とは – 岡三証券

資金の返還日・返還金額、金利があらかじめ設定されているため、最も安全な投資商品といわれています。

金利は通常の定期預金よりも高めです。(とはいえ、日本国債は世界的に見てもかなり低金利。)

債券の価格(額面・借用額)と金利は反比例する関係にあり、

  • 債券の価格が上昇すると → 金利が下がる
  • 債券の価格が下がると → 金利が上がる

このような仕組みになっています。

日銀が大量に国債を購入すると「債券の価格が上がり、金利が下がる」ため、「円売り」を促す効果があります。日銀の国債買入オペは公開されている情報なので、常にアンテナを張っておくようにしましょう。

日銀短観をチェック

さらにもう1つ。日銀の動きでチェックしたいのが「日銀短観」です。

「日銀短観」とは…「TANKAN」「タンカン」と呼ばれている日銀の経済観測のこと。景気予想のようなもので、年に4回公表されている。さらに詳しく➡日銀短観とは

わかりやすいのが、タンカンの業況判断DI(Diffusion Index/景気動向インデックスです。

  • 数値が下がる → 景気が悪くなる
  • 数値が上がる → 景気が良くなる

日銀は景気が良くなると「利上げ」、景気が悪くなると「利下げ」にて経済のバランスをとっています。

日銀の景気予想が利上げ予想のヒントにもなるでしょう。

日銀の動きを調べる方法

FX初心者ちゃん

日銀の重要性がすごく分かったんだけど、そもそも日銀の動きってどうやって調べるの?

ペッパー

実は簡単な方法が2つある

①ネット検索で調べる

日銀の情報を調べるのはとても簡単です。

「日銀」でグーグル検索してみて下さい。

日本だけでなく、世界中が注目していますので何かあればすぐに「速報」が常にアップデートされます。

②Twitterで調べる

Twitterでも日銀の情報は目白押しにツイートされています。

「日銀」「日銀 金利」「日銀介入」「日銀会合」など気になる情報で検索してみて下さい。

大手メディアから一般トレーダーの情報まで幅広くゲットできるでしょう。

https://twitter.com/yumeta_nibonibo/status/1604479544081072128
https://twitter.com/kou_ebay/status/1605055529239203840
ペッパー

Twitterだとくだけた情報が多いから難しい内容も楽しめるよ

為替取引をする時は常に日銀の動きを要チェック!

日本銀行は、以前から「ウルトラ低金利・ウルトラ保守派」と海外では不動の低金利で有名な銀行です。

日本銀行と似ているスイス銀行(保守派・安全重視派で有名)もありますが、スイス銀行もとうとう利上げに踏み切りました。

日本銀行は主要国の中で唯一マイナス金利を維持していることで「利上げという爆弾を抱えている状態」と指摘する大手メディアもあるようです。

「利上げ」の爆弾がもし投下されるなら、円高が急加速する可能性があります。

今後の日銀の動きには世界が注目しているので絶対に見逃さないようにまめにチェックしましょう。

よく分かりました!

Rated 5 out of 5
2023年1月14日

これから勉強していきます!

xyz

なるほど

Rated 5 out of 5
2022年12月25日

日銀の仕組みや為替介入の凄さがわかりました。
とても勉強になります

ホズ
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